水鉄砲

809 :809[sage] :2010/06/16(水) 19:53:58 ID:lSphi32u0
ちょっと暗い話で申し訳ないです。
それに無駄に長くなってしまったので苦手な方はスルーしてください7年前のちょうどこの時期、
私は高校3年生で、死のうと思い学校をサボって実家からは少し離れたみずうみに向かいました。
こちらではいわゆる自殺の名所と言われている湖です。
そこは観光地でしたが平日だったのとまだ朝だったということもあり、全く人気はなかったと思います。
荷物を湖畔の木のそばに置き、靴下を脱ぎ、制服一枚で入水しようと覚悟を決めたたずんでいると、背中に変な感覚が走りました。
何かと思い振り向くと、制服を着た高校生くらいの女の子が私に向かって水鉄砲を浴びせていました。

心臓が止まりそうなほどびっくりしつつも、何しているの?と声をかけると
その子はぴょんと後ろに飛び下がってどこかに走り去っていってしまいました。

電車も走っていないほどの田舎町です
近くに高校はありません
そんな時間に同い年くらいの子がみずうみをうろちょろしているだけでもかなり不自然なことでした
しかも持っていたのはおもちゃの水鉄砲です
よく小さい男の子が持って遊んでいるような
現にそこにいた私はまったくもって人のことは言えないのですが(笑)まだあの子がどこかに隠れて見ているかもしれないと思い
(人が見ているところで死ぬのはよそうというのが当時の変なこだわりでした)
その日は決行するのを辞めにしみずうみの辺りでダラダラ過ごし
さも何事もなかったかのように帰宅しました

その数日後、早起きして身支度を済ませ、自転車で近くの団地に向かいました。
屋上か非常階段の一番高いところまで上ってそこから飛び降りてしまおうと思っていました。
結局屋上は封鎖されていて最上階の手すりから地上を覗き込んだのですが、
真下のコンクリートには子供がチョークで書いたような落書きがそのままになっていて
そこを血まみれにするかと思うと決意が揺らぎ始めてしまいました。情けなくなり泣きそうになっていると、どこかからガタガタと音がしました。
団地の住人の方に見つかってしまっては大変だと思い辺りを見回しましたが誰もいません。
そして安心して正面を向いたときのことでした
向かいの棟の手刷りに誰かが両手で頬杖をついて腰かけています
よく見ると制服を着ている女の子でした
何故か私はあの朝みずうみで会ったあの子だと確信しました

私は大声で「そんなところにいると危ないよ!落ちたら死んじゃうよ!」と叫びました。
しかしその子は私の声が聞こえないかのような素振りで手すりに立ち、
そしてためらうことなく地面に向かって飛び降りました。
数秒後に大きな音が聞こえました。私は悲鳴もあげられずに青ざめてすぐに階段を下り地上に向かいました。
多分こんな瞬間に立ち会ったらただでは済まないという保身があったのだと思います。
しかし不思議でした
彼女が落ちたであろう地点を見ても
死体はおろか物一つありませんでした
不気味だっのは彼女が落下したはずの地点から2メートルくらい離れた地点に
大量の白い卵が割れたまま放置されていたことです

恐ろしくなり、自転車を全速力でこいでその場から逃げました
結局その日も何もできませんでした
それからは父が病気にかかり私が頻繁に病院に通わなくてはならなくなったり、受験やらなにやらで、
なかなか決行できるチャンスがなく、いつの間にかそんな願望も薄れていきました。

高校を卒業し上京してすぐのことです
慣れない中央線に乗っていると不意に同い年くらいの子から声を掛けられました
多分同じ大学の同じ学科で講義で見覚えがあったから声をかけましたとのことでした。
お互いに軽く自己紹介をし、まあ大学生らしく、あの講義わけ分かんないよねーwとかサークルは何入ってるの?
などなど話し込みました。ふと私がメアド交換しようと切り出すと次の駅にもうすぐ到着するとのアナウンスがありました
「ごめん!私この駅で降りなきゃだ!私のアドレス長いから今度の講義で交換しよ。」

とその子が笑顔で言い、私もわかったー^^じゃあねー^^などと暢気な返事をしました

そのとき一瞬、その子の声が別人の声に変わった気がしました
彼女は独り言のように呟き始めました「なんかろくなことなかったなあ。でも良かったかな?うん、よかった^^」
(↑細かいセリフは覚えていないです。でもこんなニュアンスのことでした)
私は突然何ですか??という感じでしたがまだ暢気に、なんか大変だよねー^^じゃあまた来週ねー^^と手を振りました。

次の週、講義でその子を探したものの、見当たりませんでした。
結局、卒業するまでにその子と再会することは一度もありませんでした。
少人数の学科なので退学や休学などをしたらすぐに噂になるはずなのですが、そんなこともないようでした。

長くてごめんなさい
やっと現在の話になります
今私は2度目の妊娠中で、里帰り出産のため実家にいます
1度目の妊娠は、とても残念なことですが、流れてしまいました。
先日応接間でテレビを見ていると、突然母が私にボロボロの水鉄砲を差し出しました「この間高校生くらいの子からこんなの預かったわよ。あんたに借りたまま返してないからって」
「あんたいい歳してこんなので遊んでたの?まったくっ」

7年前の湖での出来事が思い出されました
今までに経験した不思議な出来事がリンクするように思い
母の小言も聞こえないほどうろたえていました団地で見た飛び降りと大量の割れた白い卵と一度経験した流産
電車で会った同級生の不可解なセリフ
そしてボロボロの水鉄砲
最近専らこの板をROMっているのでただの考えすぎで
全ては偶然の積み重ねなのかもしれません。

あの朝たまたま地元の高校生が見知らぬ人を見てちょっかいを出して
団地で見たのも幻覚で本当に誰かが買い物帰りか何かに卵を落として割ってしまっていて
電車の中での出来事もただの他愛のない会話で
水鉄砲も記憶にないほど小さい頃に本当に貸したことがあった

ですが、私は何となくこれで一段落ついたような気もしています
わけわからない話で10レスも消費してごめんなさい!
似たような経験をされた方っていらっしゃらないでしょうか?
実は予定日が来月の初めなのでまたROM専に戻ります では

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