麩菓子

85 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[] 投稿日:03/02/27(木) 20:21
その昔小学校に通っていた頃、学校指定の上履きやらを売っている文具屋兼駄菓子屋に15年振りに立ち寄った。
当時から老けていたおばあさんが何一つ変わらないローテンションで出てきたのに感心しつつ、昔嗜んだ赤黒い麩菓子を袋ごと購入した。
車での途上、カミさんと二人で食べる事にした。
「なるたけ黒っぽい(砂糖の固まったヤツ)のをくれ」カミさんが運転してる俺を気遣って口にそのまま放り込む。
味は当時と何ら変わらない、暫し憧憬。
ふと、妙に麩菓子内が湿っているような食感を覚えた。
普通は「パリッ、パリッ」と小気味いい音を立てるものだ。
不思議に思い、くわえている麩菓子の断面に何気なく目を落とすと・・・そこには、
白い麩と同化してにょろにょろと動く”蛆”の姿が・・・余りのショックで事故りそうになりながらも
路側帯に停車して改めて内容を確認すると、やっぱり”蛆”だ・・・道理でビニール袋に小さな穴が
開いてるわけだ・・・まあ、地域や風習によっては蛆ぐらい食べるだろうし、栄養価も高いそうだし、
害にはならん、と言い聞かせた。どう考えても食べてるから、俺。食べちゃってるから!別に罰ゲーム
でもねぇのに!気を取り直して半ばどうでもよくなっちゃってる俺を後目にカミさんは見たこともない
形相で「あの駄菓子屋に行けっ!」と凄い剣幕。俺に食ってかかられるのも癪なのでそのまま件の
駄菓子屋に直行、「この人のお腹の中で蠅が大量に発生したらどうしてくれる!」と、ディスクジョッキー
で生きたゴキブリを食べて腹で孵化して内臓を食い破り荼毘に臥した例を持ち出しながら激昂して訴えていた。
色んな事考えたな。ガキの時分食べてたヤツにも入ってたんだろうな・・・

あの日以来、麩菓子が食えない

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