鏡餅

586 :自由人と狂想 ◆9LLiBjwtgI :2007/09/02(日) 19:22:32 ID:X6sdiLVB0
つい先日、入院してた時に体験した話。

病室は6人部屋で、俺の横には明るくてかなりお年を召しているおばあさんと空のベッド。
おばあさんはかなり気さくな方で、よく話しかけてくれた。何とない会話だったけど気づいたら朝から夜までずっと話をしてたな
主におばあさんの昔話でしたけど。
そのおばあさん、ちょっと不思議なところがあって、何故か鏡餅を3つほど持っていた
食べるんですか?と聞いても「いやいや、わしゃもう食えんよ」とニコニコしながら答えてくれ、その後に「特に何があるわけでも、なしよ」と付け加えられた。

ある日のこと、ずっと体を動かせない状態だったのでその日はずっとイライラ・・・。
夜更けになってもイライラして、貧乏ゆすりをずっとしていた
そんな時ベッドを囲っているカーテンの裾を見ると、床にポロポロと何か落ちるのが見えた。小さいくずみたいなものだった。
なんだろうなーと思っていると
「ほら。そんなにイライラしないで。鏡餅なんだから・・・。」とおばあさんの声が。
ははは、鏡餅ですね。と、返すと、急に苛立ちがなくなり睡魔が襲ってきたので、おやすみなさい。と言ってすぐに寝た

朝になり看護婦さんが来て、その床を見ると「あら?ゴミ・・・餅だわ。いつ食べたんですか~?」と言われたので
いえ、おばあさんのですよ。と、答えると顔に「?」のマークをだす看護婦さん


おばあさんが退院してから3日後のお話でした。

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