謝罪

690 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・[sage] 投稿日:03/03/27(木) 17:28
就職が決まれば卒業を待たずに結婚するつもりで実家の両親に紹介した帰りの事です。
長距離を走り疲れていたのでしょう。もうすぐ部屋に着く油断もあったと思います。
不注意に右折し直進の対向車とぶつかりました。
目の前にヘッドライトが迫りクラクションの音が。

気がついたときには病院のベッドでした。昨日会ったばかりの母が居ました。
頭を強く打ったせいか頭痛が凄くそれからまた3日程ほとんど眠って居たそうです。
意識がハッキリして彼女の事を聞きました。母は「大丈夫。」とだけ言いました。
検査も終わり全身の打撲と肋骨骨折だけだったので彼女の病室に行きたいと看護婦さんに聞きました。
そこで初めて彼女が死んだ事を知らされました。
即死だったそうです。とっくに葬儀も終っていました。

それから暫くは事情聴取や相手の人への謝罪。
悲しむ時間も無い程でした。
彼女の両親は何度謝罪に言ってもまともに会ってくれません。
一度だけ線香をあげたときも別室に行って出てきてくれませんでした。
お墓は彼女の妹に教えて貰いました。
あれから毎年墓参りに行って彼女の両親を待ちました。

去年やっとお母さんから
「あなたの事恨んでないと言えば嘘になります。」
「でも忘れてください、私たちも忘れますから。」
そう言われました。
涙が止まりませんでした。
今年で最後にします。
来月から遠くに行きます。この街に戻って来ないつもりです。

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