下九沢の廃墟

65 :hopper:2007/08/10(金) 23:04:23 ID:RuYj4J9J0

怖いというより不思議な体験をしました。
体験した私は"シャレにならない"のですが、
書き起こしてみるとそうでもなかったので"ほんのり"にします。

ずっと気になっていましたが、わたし自身が未だにひきずっているので、
何か解ればと思い書き込みます。
より詳細に知りたいと思っているので、
事細かく書くため長文になりますがご容赦下さい。

私自身の事を少し書きます。
昔から怪奇現象・心霊の類が好きでした。
今回の事件まで見たり感じたりした事が無いので霊感は一切無いと思われます。
ただ気になるのが私の祖母で、異常なまでに霊感が鋭く、
宿泊先や観光地で霊が見えるので旅館やホテルなどに宿泊できない程。

それでは語らせていただきます。

19歳の夏のこと。
高校時代から良くつるんでいた悪友5人で、久々に集まり遊んでいたところ、
5人の1人ミチが「俺の地元にスゲー心霊スポットがあるから行かない?」と言い出した。

夏ということもあってか、それも面白いと単純に皆で盛り上がった。
そこで私が「どうせなら心霊ツアーしない?」と提案した。
(今思えば余計なことを・・・全てはここから始まりました

1人1箇所の心霊スポットを提案し、それを回ることにした。
遊んでいた場所が私の地元だったのでそこからスタート。

私の地元は神奈川県厚木市。
オカ板の人達ならご存知の方も多いと思いますが、ここら辺には有名所が多々あります。
その中でもあまり知られていないと思われる、"下九沢の廃墟"を提案しました。

下九沢の廃墟には様々な噂があり知る人ぞ知る、地元では有名な場所。
過去に何があったのか明確なことは解っていませんが、
噂では"一家心中"だの"火事で一家焼死"だの様々な噂が飛び交っています。
ただ一つ言える事は、私の周りで行った人達は漏れなく全員何かしら
"見たり""感じたり"しているということです。

場所は国道129号線沿いに厚木市から相模原方面に行くと下九沢に入ります。
出発してから1時間弱で下九沢に到着。
詳細な場所が解らなかったため、行ったことのある友人に電話して教えてもらい、
探すこと10分。着いてしまいました・・・・
教えてもらった友人の言う通り、廃墟の裏手には竹薮があり、
それが一層不気味さを演出しています。

廃墟周辺には普通の家などが点々とあり、
国道から数百M程離れているためかとても静かで風も無く、
私たちが乗って来た車のエンジン音が気になる程でした。
辺りは薄暗くなって来ていて、時間も無いためサクサク行こうということに。

廃墟の敷地内に入ると車がUターン出来るほどの、
砂利が敷き詰められているひらけた場所があり、そこに車を駐車。
廃墟の外観はさほど大きくもなく、昔ながらの一軒家という印象でした。

いざという時に警察や近隣住民から逃げるため、
一番怖がりなケンジを車に残し4人で廃墟に向かって歩き始めた瞬間、
事態が急変して4人とも足を止めました。
竹薮が風も無いのにざわめいているのです。
歩き出したタイミングとあまりにも合致していたので、
4人ともビックリしましたが、その程度では"偶然"のせいにできます。

4人はさらに歩きました・・・・ざわめきが激しくなります
近づけば近づく程、ざわめきが激しくなり、止まると・・・・やみます・・・・
車から廃墟まで数Mしかないのに長く感じ、歩く速度も遅くなります。
相変わらず風はありません。

それでも好き物の私は「こえーwこえーw」と言いながら近づいて行き、
他の3人もすぐ後から着いてきました。

廃墟まであと1M程の距離になってさらなる異変が起きました。
空気の"壁"があるのです。先に進めません。
言葉にし辛いのですが、プレッシャー?のようなものに阻まれ、
足が前に出ないのです。

後ろから友人が「どうした?」などと聞いてきましたが、
答える余裕などありません。明らかに"やばい"のです。
その"空気壁"を無理やり押し進むことも可能だったかもしれません。

しかし人間の本能なのでしょうか、
これ以上進んだら帰れないような異様な感覚に襲われました。
むき出しの"恐怖"という感じです。

危険を感じた私は友人に説明する間もなく進むことをやめ帰ろうと言いました。
すでに他の3人は竹薮がゆれている時点で臆していたのでいたので、
すんなり承諾し車に戻りました。
振り返り歩きだすと竹薮はざわめきませんでした。

車まで残り半分のところでミチが叫びながら走り出しました。
え?!っと思いながら釣られて私も走りました。
あっという間に車に乗車し、待機していたケンジを押し込み、
ミチが運転席へ(車はミチのです)カギを回しますがエンジンがかかりません。
私はミチへどうして悲鳴をだしたのか尋ねてもミチは、
エンジンをかけることで精一杯の様子。
他の5人が落ち着きを取り戻しているにも関わらず、ミチはパニクっています。
そのときはミチを見て皆で笑っていました。

1,2分ぐらい経過していたと思います。
ようやくエンジンがかかり、走り出しました。

車内では「あれはやべーよw」など言いながら、
恐怖の余韻にひたり、皆で盛り上がって話しているうちに、
空気壁のこともなんだか気のせいの様に思えてきて、
私も一緒に笑っていました。きっと思い込みなのだろうと。

腹が減ったのでデニさんへ行きました。
落ち着き始めたミチに先程のことを聞き直したところ、
車へ向かって歩いていたら左斜め後ろ辺りで「またおいで」と、
子供の声が聞こえたそうです。それは叫びます。
次はどこに行こうなどと盛り上がって話している間も、
ミチは食事もとらず顔面蒼白になっていました。

~終~

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