俺は、田舎の一軒家に住んでる霊

545 :1/5:2007/07/26(木) 09:07:58 ID:kr+NhIXk0
俺は、田舎の一軒家に住んでる霊。
名前は何だっけな。表札に「寺坂」って書いてある。よく分からないが俺の名前らしい。
巷じゃ、家に来た人間を片っ端から殺す、悪霊って呼ばれている。
それにしても人間はほんとバカだよな。
こっちが呼んでる訳じゃないのに勝手に来て、俺を見てガタガタ震えて、逃げていく。逃げても無駄なのに。
俺、そんなに怖かったかな?とか思うけど、まぁどうでもいいか。

この前・・・昨日かな?時間がよく分からない。
いつも通り部屋に人が来た。今回は4人。男2人女2人。
既に怯えてる。怖いなら来なければいいのに。肝試し?そんな感じだ。
男は強がって見えるが、2人とも相当ビビってる。女2人は論外。もう半泣き状態。
なんか面白そうだ。どうやって殺してやろう?そんな必要あるのか?

この部屋に出るらしい、とか言いながら部屋を探索してる。
なんだかウキウキする。どす黒いものが込み上げてくる。
4人は探索を続ける。そんなに広い部屋じゃないけどな。
どうやら何も出ないと思ったようで、段々落ち着いてきたみたいだ。
バカな奴ら。出口は閉めておこう。
突然背後でドアが閉まって、驚く4人。いい顔してる。いいぞ。
風かな、とか言ってる。そう信じたいだけだろ?
姿を見せてみる。挨拶もしないとな。こんばんは。あれ?俺の声こんなだったか。
訳の分からない叫び声を上げる4人。うるさいな。ちゃんと挨拶しろよ。
出口に向かって一目散。でも開かないだろうなぁ。開かないように閉めたから。どうやってかなんて分からない。ただ、そうした。
必死でドアを叩く。おいおい、壊すなよ。
開けてくれ、助けてくれ?誰に言ってるんだ?俺は何もしてないよな?

さてと、この部屋じゃ嫌だな。汚れる。
しかしうるさいな。ちょっと姿を見せただけでこれかよ。何が怖いんだか。
あぁそうだ、向かいの客間でやろう。何をだろう。何かだ。
軽く気を失わせて連れて行こう。ちょっと叩けばすぐだろう。
・・・よし。

動かないように縛り付ける?必要ないか。ここからは出れないし。
あぁ、気が付いたな。ちっ、また騒ぎ出した。やかましい。
でもいい顔してる。面白い顔だな。本当に?
どれからにしよう。・・・この女が一番うるさいな。黙らせよう。
口を削ればいい。よし、少し静かになったぞ。なんだ、他の奴らも黙ったな。いいことだ。
そうだな・・・こいつには言葉を刻み込んでおくか。シネ、と。
これで頭の中で、延々と繰り返されるだろう。
シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ・・・
頭抱えて悶えてる。声出ないから静かでいいな。どれくらいで気が狂うかな?その前に死ぬかな?
楽しみだが、まぁ、ほうっておこう。後3匹いる。

次は男だな。こいつは逆にしておくか。
右手は左手。右目は左目。前は後ろ。上は下。
さて、どうなるかな?・・・なんだ転げまわるだけか。逆立ちして後ろに歩けよ。期待外れだな。つまらん。やめろよ。
もう1人の男にはこいつらを連れ帰ってもらわないといけないからな。
少し削る程度にして、と・・・。俺は賢いな。お前は愚かだ。
後一匹か。静かだと思ったら気を失ってるのか、この女。
憎しみを与えよう。憤怒を。他の3人を憎め。ここには来たくなかったんだろ?
こいつらが憎いだろ?憎め憎め憎め。最後に自分も憎め。死んでしまえ。
やめてくれ。

誰かうるさいし、もういいか。
かえれよ。さっさと帰れ。邪魔なんだよ。何で来るんだよ。

たまらなく気分がいい。闇に溶けそうなほど、黒い。
すてきだ。なんていいんだ。いつまでもここに居たい。もっと楽しみたい。
結局、俺の目的は何なのだろう。何かあったかな・・・。
手探りで記憶を辿る・・・が、思い出せる気がしない。

くだらない。忘れる程度のことだ。気にする必要もない。
霊として、黒いままで居られればいい・・・。

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