寝るのが怖かった時期

471 :1/3:2007/07/23(月) 23:01:18 ID:nLdB23E50
夢系が嫌いな人は無視してください。

幼稚園くらいの時に、ほぼ毎日自分が死にそうになったり、殺されそうになる夢ばかりを見てて
寝るのが怖かった時期があったんだよね。今考えるとかなり変な子供だったと思う。
自分の夢は五感全てが鮮明で、ケガをすると起きた後も身体に痛みが残るくらい。
だから夢の中でも、痛いものはマジに痛いので、夢が怖くて仕方がなかった。
さらに当時は正夢と言うものをよく見ていて、現実世界で「これ夢で見た~」と無邪気に言って
母に変な顔をされる事はしょちゅうだった。そんな当時の夢から一つ。

何度と無く見た幼稚園の頃の夢なんだけど、今でも鮮明に覚えている。
シーンは決まって、旅館に家族旅行に行くところから始まるんだけど、旅館に着くと
必ず自分は家族と離れて、旅館の中庭に走っていくんだよ。
これはほぼ強制。何度も見ている夢なんで、最初から夢だと認識しているし
そういう時は自分でコントロールできる事も多いのに、その夢ではどんなに全身で拒否しようとしても
必ず家族から離れて中庭に向かう。
中庭に着くと、そこは何故か夜のように暗く、草一本も生えてない。
黒い土の上には生首がいくつも転がっていて、身体は金縛りのように動かない。
顔を上げると、そこにはいつもフードを目深に被ったお婆さんがいる。
顔なんか一切見えないのに、何故かお婆さんだと分かる。
そのお婆さんは、でっかい鎌みたいなのを担いでいるんだよ。
そこまで来て、初めて自分で行動ができるようになる。
金縛りが解ける訳だから、もちろん全力で逃げるわけだ。

背後からはお婆さんが鎌を構えて追いかけてくる。
そのお婆さんから逃げ切れた試しはないんだけど、自分は悪夢慣れしてるから
逃げながらも無理やり目を覚ますって形では逃げ切れてた。
それでも、まだ小さすぎて夢のコントロールができなかった頃は
気が遠くなるくらいの時間を逃げ続けて、泣きながら目をさましてた。
転べば痛いし、息は上がって苦しいし、もう最悪。
そのころは、寝れば寝るほど心身ともに疲れる日々が続いてたな。
「寝ると疲れるから嫌だ」と不思議な事を言う幼稚園児だった。
その夢にしても、最初からどんな夢か分かってるんだから、本当は夢だと分かった時点で
目を覚ませば良いんだけど、何故かその夢だけはお婆さんに会うまではコントロールができないんだよね。
そんな夢も、小学生になると全く見なくなって忘れていた。

でも小3のある日、その夢を久々に見たんだ。
すぐにあの夢だと分かった。
何で今更見るんだろう、と思いつつも自分は中庭に向かう。
そこにはやはり、生首が転がる真っ暗な中庭で、立っているのは大きな鎌を構えたお婆さん。
いつものようにここから逃げだして、目を覚ませば終わりだ。と以前のように全力で逃げ出した。
だけど何故かその時は、目を覚ます事ができず迷路のような旅館の中をひたすら逃げ続けた。
幼稚園の頃より簡単に夢のコントロールが可能になっていたのに、どうしても目を覚ませない。
「もしかして、なんかやばくないか?」と焦り出した時、目の前にガラス張りの開き戸が見えた。
その外が明るかったので「出口だ」と分かり、戸にぶつかるように開けながら外に出ると、目が覚めた。
その時思ったのは「ああ、助かったんだ・・・」と言う事だけ。
初めて逃げ切れた。
それ以来、その夢を見ることは無くなった。

大きくなってから、その話を友達にしている時に気がついたんだけど、
よくよく思い出してみると、あのお婆さんの風貌は「死神」だった。
死神と言うと、男と言う先入観があったから、気づかなかったんだよね。
もし捕まっていたらどうなってたんだろうと、ちょっとオカルト的に考える事がある。

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