290 :蛇:2007/07/19(木) 16:52:17 ID:MzdsPaD10
小学生の頃の話。
ばあちゃん家の田んぼの稲刈りを手伝っていたら、いとこが蛇を見つけた。
何があったのか、蛇は既に瀕死で、いとこが素手で掴んでも抵抗せずぐったりしていた。
微妙に動くので「生きてる」とわかるくらい。
他のいとこも集まってきて、みんなで蛇を囲んだ。私以外のいとこはみんな男。
やんちゃ盛りの男の子ってのは馬鹿な事考えるもので、一人が
「殺して捨てよう」
と言い出した。そして一本の鎌をみんなで回し、一人一撃ずつ蛇に刺した。
鎌は私にも回ってきた。なんか蛇がかわいそうで「嫌だ」と言ったんだけど、いとこ達がやれやれ言うもんだから、なるべくダメージを与えなさそうな尻尾の先っぽめがけて鎌を振り下ろした。
ところが緊張で手元が狂い、蛇の体制もあって私の鎌は蛇の頭にヒット。
いとこ達はわっと盛り上がり、鎌に刺したまま蛇を持ち上げ、川に投げ捨てた。
私は「自分が殺してしまった……どうしよう……」とガクガクになり、不安で母の元へ行ったが、怒られそうで蛇の事は黙っていた。
その日の夜、家に帰った私は熱を出した。それから三日は寝込んでいたと思う。
熱も下がって元気になった頃、母が「お見舞いに行こう」と言う。
え、誰の? と聞いたら、あのとき蛇殺しに参加したいとこ達が全員高熱を出し、私以外は入院沙汰になっているという。母は「あんたが熱出した時に話したじゃない」と言ったが、たぶん私は熱のせいで覚えてなかったんだと思う。
いとこ達は命に別状は無かったが、「殺して捨てよう」と言ったいとこは右手が麻痺してしまった。
祟りって本当にあるんだ、とぞっとした思い出。

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