耳鼻科

811 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/04/25 11:26
私が耳鼻科で働いていたときのことです。
割と有名なお医者さんだったせいで夜間診察は毎日、患者さんの予約でいっぱいでした(予約制だったんです)。
ある日、午後6時半頃に病院の近所に住む中年の女性が青い顔で入ってきて
「今すぐ診察をお願いしたいんです!」と言ってきたんですが、
予約の患者さんで余裕が無く、夜8時半なら診察可能です。と説明して一度帰ってもらったんです。
夜になって女性が来ました。

先生が「あれ、珍しい。どうしたん?」と女性に聞くと彼女が言いました。
「夕方庭で洗濯物を取り込んでたら耳に何か当たったんです。それ以来なんか音が聞こえるんですよ。おまけに一時間くらい前まで すごく痛かったんです・・・」
先生が耳をレンズのような診療器具で見て爆笑しながらピンセットで原因と思われるものを取り出しました。
なんと・・・「かなぶん」だったんです。小指の爪くらいの大きさの。
院内にいた人間全員が同時に「こんなもん耳の中にいたら痛いわな」とナットクした出来事でした。
可哀想に「かなぶん」は力尽きて死んでしまってました。
でも女性は「記念に持って帰る」といって持って帰ったんです。
この行動が何だか怖かった・・・。

812 :811:03/04/25 11:45
後日談です。
一週間くらい経って、買い物先で偶然その女性に会いました。
「おばちゃん、あのブンブン(関西では こう呼んだと思う)どしたん?」
するとオバちゃんは嬉しそうに「標本にして飾ってあるよ~」と
言いました。昆虫採集用の防腐剤を虫に注射して小さい箱に虫ピンで
止めておいてるそうです。タイトルは「おかーちゃんのブンブン」と
聞きました。

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