顔の怖い男

134 :本当にあった怖い名無し:2007/07/11(水) 18:50:53 ID:k5YegZsG0
アパートに暮らしていたころ。
夜9時ぐらいに、近所の自販機にジュースを買いに行って
アパートの近くまで戻ってくると、
自室にあがる階段の入り口付近に、先ほどまでは多分いなかったはずの、
作業着のような物を着たすごく怖い顔をした男が立っていた。
その顔は、ガテン系の男らしい顔ではなく、
完全に一昔前のやくざやチンピラのような怖い顔だった。
はっきり言って、怖い顔の男でなくても、
夜中にアパートの階段の上り口に知らない人物が
ウロウロしているのはあまりいい気持ちではないと思う。

その顔の怖い男を見て、私は、どうしようか。少し考えた。
怖いし不気味なので、その場を通り過ぎ、近くを一周していなくなるまで待つか
あるいは、このまま堂々と階段を上がるかだ。
結論は、このまま早足となり、そのまま階段をすばやく上がるという
非常に小心な方法だ。多分見たい番組でもあったのだろう。
別に私とは関係ないだろうし、もしかしたらバカ大家のバカ息子のバカ友人かも。

しかし、すぐにその考えは間違いだということに気づいた。
私が階段を小走りに、小気味よく上り始めると、
何を思ったのか、その怖い顔の男も私の背中にピッタリりつくようにして、
同じテンポで階段をあがってきたのだ。嫌な息を吐きながら。

恐怖、何をされるのだ、何をしたいんだお前は。何なんだお前は。
怖い、殺されるのか・・・・。
いつ背中を刺されるか、羽交い絞めにされるのか。
恐怖に声が出そうになるが、声を出そうと思っても出ない。
もしもこのままとまれば、その顔の怖い男は私にぶつかり階段から落ちるだろう。
あるいは、私にしがみつき、二人とも落下するかもしれない。
殺したとしても、十分正当防衛になるだろう。
それほど怖いし、その男の顔を見れば、誰でも納得できるはずだ。
階段を上りきり、部屋の前まで来る。その怖い顔の男は、数メートルのところに
立ち止まっている。こちらを見ているのか。
絶対にそちらを見ないようにし、部屋に入ろうとするが、
また運の悪いことに、こういうときに限って鍵をかけていたりする。
鍵をあけてドアを開けると同時に、怖い顔の男が
隣室のドアをノックし始めた。私は後ろでにドアを閉め鍵をかけた。
怖かった。なんだったんだあの怖い顔の男は。
本当に隣に用事があったのだろうか。

ほっとして、目線をあげると目の前には、あの怖い顔の男が・・・・
っていうのは今思いついた付けたし・

しかし、失礼で迷惑な人物であった。
もしかしたら、顔の怖い男は、それまで階段の上り方を知らなくて
だれか手本になる人物を待っていたのかもしれない。

駄文すまんです。

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