道路に面した方の窓

41 :本当にあった怖い名無し:2007/07/07(土) 19:08:02 ID:+Lxx6ZOv0
小学校低学年の頃の話。
時は夏休み。
私は当時、3つ上の兄とクーラーなんぞ無い子供部屋に押し込まれて寝ていた。
夏休みに入ったいつのころからか、
子供部屋には2つ窓があったんだけどそのうち道路に面した方の窓が怖くてたまらなかった。
とにかく怖い、いや、怖いなんてモンじゃない、おぞましい、といった表現がピッタリなくらい。
もう本当にゾクゾクして直視も出来ないし背中も向けられなかった。
扇風機しかない子供部屋のことだからいつも夜は網戸にしてあったんだけどそれがとにかくイヤでイヤで。
子供だったから「こんなにあの窓が怖いのはきっとあそこからいつかゾンビが来るんだ!」とかアホなこと思ってて、
窓を閉めれば何故かそのおぞましさが消えるから閉めて寝ようとするんだけどその度に
兄に「暑いだろ!なんで閉めるんだよ!!」と当然のように怒られる。
仕方が無いので怖いのを我慢して起きていて兄が寝たと確認するや、そっと閉めてやっと眠れていた。

そんな日々が続いていたある日の事。
ふと、夜中に目が覚めた。
「あれ?」と思って窓の方に目をやると…窓が開いてる…。
まずい!!なんで今日に限って閉め忘れて寝ちゃったんだ!?と焦って閉めようとしたそのとき、
またあのゾワ~ンとしたいやあなおぞましさが窓の外からやってきた、
その上今度は外を吹く風の音に混じって「ジャリ…ジャリ…」と人がゆっくりと歩いてくる音が聞こえる。
「うわー!どうしよう!!とうとうゾンビ来た!!」とアホガキビビリまくり。
その足音は不思議なことに一定間隔で続いている割に近づきもせず遠ざかりもせず同じペースで響き続けていた、

アホガキは考えた、窓を閉めれば!とにかく窓を閉めればゾンビ(足音)が窓を破って入ってきても多少時間が稼げる筈、
それで兄を起こして両親のところへ行って車で逃げよう!!と。

アホガキは勇気を振り絞ってベッドから飛び起きて慌てて窓を閉めた。
とにかく怖かったので向こうの出方をみる為にも一旦ベッドに戻ってタオルケットを被って様子を伺った、
すると足音が一度「…ジャリ…」と聞こえ止まった。
次の瞬間、壁を拳で叩くような「ドンドン!」という音が2度聞こえて静かになった。
その後のことは覚えてない。

しかし不思議と、それ以来窓の外が怖いことがピッタリとなくなってしまった。

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