カラス

611 :カラス:03/04/30 14:11
今、俺のベランダに烏がとまって鳴いているのを見て思い出した話をしたい

10年程前、俺が小学生だった頃
発熱がひどくて学校を休んだ事がある
今でもこの日の事だけは印象に残っている

学校を休んだその日
母親の家事をしている音を聞きながら布団に入ってエロい事考えてた(ちゅーとか)
眠りに入ってから真っ暗な所に茶色がかった球体が横並びに2つ見えた
全くの無音の中、球体がゆっくり近付いてくる

これが夢だとは気付かないもので俺は一生懸命に目を閉じようとしていた
その球体はぶれる事なく近付いてきて、やがて茶色の球体の中に黒の球体が見え
俺の額の真ん前に来ると黒い球体が眼のようにグリッと俺を見下ろしているのが分かった
俺は自分の目線が全く動かせず上からの凄まじい圧迫感と鋭い物が眼前にある時に感じる
チリチリとした感じで嘔吐感すらあった
どの位の時間が経ったかは分からないが、ずっとその状況を維持させられていた
ふいに自分で「ああああああ」とか奇声を上げて現実に戻った
汗でパジャマどころかシーツまで濡れていて枕は涙でびしょびしょだった
母親は仕事に出かけたらしく現実に戻っても無音で気が狂いそうだった

その時、「カァ」とかいう乾いた音に驚いて振り返ると
ベランダに烏が1羽いてこっちを見ていた
同じ圧迫と威圧を感じた
直後に「お母さん」とか何とか叫びながらベランダとは反対の部屋に駆け込んで
親のベッドに潜り込んだのを覚えている
泣き疲れて意識が少し離れたような1回まばたきしたような感じがして
目を開けると台所から夕食の支度をしている音が聞こえ、ホッとした

ここまでの記憶が残っているんだけど
今の自分を見ると何故か黒い服ばかりで、暗い所を好んでいる
今になって思い返してみると
あの時に何かが俺の中に入ってきたんじゃないかと思ったりする
今でも俺の頭の中にいて見てるんじゃないかと

書いてる間にベランダの烏がいなくなっちゃった…

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