一緒に住んでいたおばあさん

663 :1/2:2007/06/16(土) 03:17:10 ID:4c2zys720

長文失礼。

私がまだ小学校にも上がってない頃。
父親は商売をやっていて、母親はその頃は体が弱かったけど父親の仕事を手伝ってた。
なので、私の面倒は一緒に住んでいたおばあさんが見てくれていた。
可愛がってくれて、いつも一緒にいたように覚えている。

おばあさんは太っていて膝が悪かったから、あんまり歩くのは得意じゃない。
でも、気性が勝気で活動的な人だから、億劫がりもせずに毎日遊んでくれていた。
住んでいたところは結構な田舎なんだけど、昔はいまよりもちょっとはマシで、
かなり頻繁に賑やかな市場に連れてってもらったりしていた。

ある日、夢を見た。
夢の中では、いつものようにおばあさんと一緒に散歩をしている。
現実では、おばあさんは本当にゆっくりしか歩けないから、私は先にどんどん進んで、
ちょくちょく立ち止まってはおばあさんが追いついてくるのを待つ・・・ってのがいつものパターン。
でも、その夢の中では違っていた。
おばあさんはいつも通り、ゆっくりした動作なのに、なぜかものすごくスピードが速い。
私がいくら走っても追いつけない。
待って、待ってと声をかけても全然待ってくれない。
おばあちゃん子だった私にはそれはとても怖いことだった。
結局、おばあさんには追いつけないまま夢は終わるんだけど、
そんな夢を小さい頃は頻繁に見ていた。

校生ぐらいのとき、ふとその夢のことを思い出して、何気なく母親に話して見た。
そしたら、母親は少し驚いて、
「そういえば、昔、おばあさんもあんたに置いていかれる夢を見るんだ・・・ってよく言ってたよ。
 しょっちゅう見るって。怖くて悲しくなるって」
と教えてくれた。

なんか、それを聞いて何とも言えない気持ちになった。
あんまりいい感じはしない・・・よね・・・。
どう考えたものか。

ちなみにおばあさんは健在。
今でも地元に帰るたびにお土産持っていったり、手料理ご馳走してもらったりする。。
もう一個謎なことといえば、そのおばあさんは父母のどちらの母親でもないってことだね。
父親方のおばあさんと、母親方のおばあさん。一緒に住んでるおばあさん。
幼い頃は3人おばあさんがいるのを不思議には思わなかった。
私は成人して就職してるけど、未だにこのおばあさんと両親の経緯や関係をあまりよく知らない。
ただお世話になった人だってことだけはよくわかる。

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