都市伝説のような話

91 :本当にあった怖い名無し:2020/12/05(土) 00:11:33.96 ID:UCdMvsfo0.net[1/3]

都市伝説のような話だが・・・
中国製のスマホとか通信機器には製造段階でバックドアが仕込まれており
スマホを介した会話や画像、メールのやり取りといった内容を遠方の通信傍受施設において把握することができる。
さらにスマホ内蔵のマイクとカメラを遠隔操作して、周辺の景色や音声を傍受することができるのだという。
中国製のスマホを使っていなくとも、無線中継基地や回線のどこかに必ず中国製の部品が潜り込んでいるのでこのシステムから逃れることはできない。

で、これは中華の機関から流出したアプリなのだが、英語のサイトからダウンロードすることができるらしい。
おおがかりな諜報機能のほんの一部を移植して改良したもので、地球の裏側の情報を逐一入手することも可能な本来の機能からすれば大幅に性能は落ちるが
うまく利用することでちょっとした火遊びを楽しむことができる。
自分の近くにあるスマホに干渉してそこから情報を抜き取ったり逆にこちらの情報を送りつけたりすることが可能なのだ。

一人の女子高生が街中でスマホをいじっている。
さりげなく確認してみたがけっこう可愛い子だ。スマホに夢中でこちらには気づいていない。
今日はこの子と遊んでみよう。
――ねえ、君いまヒマ? よかったら僕と遊ばない?
彼女のスマホにはメッセージがポップアップされているはずだ。スマホをいじる手が止まったのがわかる。
――僕は君の近くにいるよ。証拠を見せてあげよう。
彼女を背後から隠し撮りした画像を送りつける。彼女があわてて振り返るがそこにはもうこちらの姿はない。
ここで彼女が警戒してスマホを切ってその場から足早に立ち去ってしまえば、それでゲームオーバーになってしまうんだが、最近のJKにはどこか後ろ暗いところがあるものさ。

――彼氏の名前はタカシ君っていうんでしょ。君が円光していることが彼氏にバレると困るよね?
彼女の顔色が変わった。
無理もないよね。どうしてこちらが秘密の個人情報を知っているのか彼女にはわからないんだし。
あとは人のいない場所におびきだして・・・

ラブホテルの一室で僕と彼女はジュースを飲みながらしばらくの間お喋りをしていた。
ありがたいことに彼女はそれほど嫌がる様子もなく、こちらの求めに応じてくれた。
割り切りが早いというか、それともちゃんとお金は払うと言ったのがよかったのかな。
気分も高まってきて、僕が彼女をベッドに押し倒そうとした時だった。
どこに隠し持っていたのか、彼女はとっさにナイフを取り出すとそれで僕の胸をひと突きにした。
そして勝ち誇ったような顔をして捨て台詞を残すと、一人で部屋から出て行ったんだ。

バカな女だ。
彼女の個人情報はすでにこっちのスマホに保存してある。
それにホテルの出入口にはカメラがあって客の出入りを記録できるようになっている。
こんなことをすれば警察に捕まって自分もただではすまないことを知らないのか。
僕はとりあえずスマホのアプリを開いてみたが・・・
・・・データがすべて消されている。
これは彼女がやったのか? いつのまに?
だとすれば彼女は僕と同じアプリを入手していたのかもしれない。
データの消去が可能ということは、さらに上のバージョンのやつを・・・
中国製の、あるいは中国製の部品を使ったホテルのカメラから、映像データを消し去ることも彼女にとっては簡単なことだろう。
何しろ巷には中国製の製品があふれているのだ。
まずい! 血が止まらない。早く止血しないと失血死してしまう。
救急車を呼ばないと。
と、思ったが急に意識が混濁してきた。
そうかさっきのジュースに何か薬を入れたな。睡眠導入剤か、あるいは遅効性の毒物か・・・
ああ、意識が遠のいていく。僕はこのまま死ぬのかな?
まったく最近のJKってやつは・・

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