布男

204 本当にあった怖い名無し New! 2011/09/19(月) 15:13:59.22 ID:ZSjECAzE0
江戸川沿いを一人で歩いていたら, 
前方からスポーツ刈りで白いタンクトップ,短パンの男が走ってくるのが見えた. 
遠目で見ると風でユラユラとたなびいているように見えた. 
近づいてきてわかった. 
男は体の厚みが布切れほどしかなかった. 
服も体と同じようにぺしゃんこで,本当に全身が風でたなびいていた. 
男はにこにこ笑いながら近づいてきて,すれ違いざまに 
「ビビってんじゃねーよ,バカ」 
と笑顔のままで言い, 
バサッと大きい茶封筒を投げつけてきた. 
茫然としている俺を置いて男は走り去って行った. 
封筒の中を見ると,新聞の折り込みチラシが30枚ほど入っていた. 
古いもののようだが,どれも霊園や葬儀屋の広告だった. 
どのチラシも地域に一貫性はなく,全国各地のチラシだった. 
怖くてすぐ捨てた. 
男はその後見ていない.今度見つけたら遠くから写メ撮ってやる. 

前の話へ

次の話へ