カリスマさん

331 本当にあった怖い名無し sage 2012/07/29(日) 05:52:57.47 ID:Eo4YjV0e0
オカ板にあった形而上学系スレのオフ会に参加した、昔の話です。

そこには、超カリスマ的な人物がいて、
皆、彼を中心として難解な哲学や宗教用語を駆使していて、
あほなオレは、ただただ、場違い的な幼稚な発言をしては、
皆の失笑を買っていた。

で、そのうち、彼を心底から崇拝する者が現れて、そいつに嫌気がさした
カリスマさん(仮名)が、板から逃げたことにより、そこは消滅した。
オレもなんだかイヤになり、メアドを残してそこから去った。

数ヶ月後、なんとそのカリスマさんからメールが来た。
もし、機会があったなら、おまえと話がしてみたい、と。
その前に、板の住人の何人からかメールを頂いてたので、
彼の希望にあったように、皆にメールをまわして、オフ会をすることとなった。
すでにほかの皆は、一足お先にオフ会でカリスマさんと出会っていて、
オレにとっては、人生初めてのオフ会だった。

場所は関東の郊外だった。No.2的だった人物(2号)の家に、皆が一泊して、
昔のように語り合おう、というものだった。

待ち合わせの時刻、オレは山の手線の駅内のコインロッカー前に立ってた。
携帯でカリスマさんにメールを打つと、なんだか馬鹿でかい歌声が聞こえてきた。
・・・そう、彼だ。その時に初めて顔を見た。がっちりとした、いかにも武道系の男だ。
そして目をらんらんと輝かせて、裂けんばかりの笑顔で近づいてきた。

・・・カリスマさん?そう聞くと、ガバッ!!と絞め殺すようなハグをしてきた。
おお!会いたかったよぉ!これは過去からの約束だったんだよぉぉぉ!!!
そのとき、オレの脳内アラームが流れた。武道の達人と聞いている通り、すごい力だった。
カリスマは、もう一人のNo.3的な人物(3号)と来た。目つきが異常に冷たいヤツだった。
彼は丁寧に握手してくれた。でも、見下したような視線を受けた。

あぁやべぇな、こわいな、そう思いながら、2号の住む町に電車は進んでゆく。
車内では、二人が会話一つもなしに、黙々と携帯をいじっていた。
目的地に着いた。改札口の前に、夢をみているような目つきの2号がいた。
おおお!!ああああ!!!と、カリスマと2号、3号のクソ熱いハグが始まった。
オレはもちろん、「なんで来たの?」的な態度を、2号から受けた。

2号の運転する車で、山奥の民家に到着した。
そこで、着くなり2号は、なにやら携帯で電話している。こわいよぉ。
なんだか肉親との会話みたいだった。
そのあと2号とカリスマが真剣に会話している。過去の怨念がうんたらかんたら・・・。
もう帰りたかった。でも、バスとかなさそうだしなぁと、あきらめた。

そんな4人で、夕食後、座談会がはじまった。
ネットと同じく、難解な話だ。ただ、ヘンだなと思ったのは、
目の前にいて、自己紹介で本名もわかっているのに、お互いコテで呼び合っているのだ。
オレが本名で○○さん、といと、コテのほうがいいと怒られてしまった。

座談会は、3人で盛り上がり、話の途中でオレに感想を求める、そんな感じだった。
オレは正直に思うことを言うことにした。ウソついても、頭のいい連中だから見抜かれる。
2号と3号は、その答えにバカだな的態度をとっていたが、カリスマだけは真剣に聞いていた。
深夜になる頃、座談会はようやく終わり、疲れもあったので爆睡してしまった。

翌日、駅で2号に見送られて、ホームで電車を待っている間に、カリスマが話しかけてきた。
・・・もし今晩余裕があったのなら、俺の部屋に来ないか?語り合おうよ。
また脳内アラームが鳴った。
と、そこで3号が言った。ボクもいっしょに泊まってもいいですか?

うっせぇな!バカ!!!テメェは来るなぁぁぁぁ!!!!!!カリスマが豹変した。
狂った人間というのは、こんな表情をするのかもと思った。
その言葉を受けた3号は、うつむいてたが、ものすごい目つきでにらんだ。オレを。
これはいかん。武道の達人だ、何かあったらシャレにならん!
人のいいオレは、その場を繕おうと、ああ行きます行きます!と、カリスマの部屋に泊まることとなった。
帰りの車内は、何とも言えないイヤな雰囲気となった。
東京で別れ際、3号はオレを氷のような目で見ながら、去って行った。

夜、彼のアパート近くで食事をおごった。泊めてもらうしなぁ・・・。
その間、カリスマは夢を語りはじめた。自分に酔っている姿に背筋が寒くなった。
で、そののち彼の部屋に案内された。なんだこれは・・・。
ゴミの山だった。オレも掃除が苦手なほうだが、オレの何10倍もの上だった。
彼は気にすることなく、好きなところに寝ていいよと、笑顔で言った。

カバンから荷物を取り出そうとしているところに、シャワーから出てきた彼がやって来た。
・・・丸裸だ。なにも隠してない。
彼はやさしくオレに言った。おまえも浴びてこいよ♪と。
オレはカゼひいてるとかウソを言い、なんとかのがれた。
逃げたかった。でも、ひ弱なオレは勝てる自信が無かった。

やがて、寝ることとなった。
寝たらやばい、そう思い、彼と離れたところで汚れた毛布にくるまった。
・・・しばらくして、彼のイビキが聞こえてきた。
それを聞いて、うかつにも眠ってしまった・・・。

翌朝、しまった!と思って目覚めると、彼はまだ寝ていた。
だまって出て行くのもなんだったので、声をかけると起きた。
じゃ、飛行機の時間があるんで、どうもありがとうなどと言い、オレはそそくさとそこを後にした。
うすら笑いのカリスマがなにか言っていたが、聞きたくはなかった。

その後は、もうみなさんの想像の通りだ。
しつこくメールや手紙が来るようになった。
「おまえは、おれのものだ」とか、「約束された未来は変えてはいけないんだよ」とかいろいろ・・・。

引っ越しや携帯変更で、やっと逃げ切った。
オレはそれ以来、他のオフ会でも、誘われても一切行かないことにしている。そして、
心をくすぐるうまい文章を書くヤシを、絶対に信じなくなった。

以上です。なんだかギャグみたいですが、オレにとっては本当にシャレにならなかった出来事でした。

337 本当にあった怖い名無し sage 2012/07/29(日) 06:02:51.47 ID:6Z/2+cNd0
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