元鑑識

150: 元鑑識:2010/09/13(月) 01:34:50 ID:JwATXYKD0
先輩が「行くか」って言ったのを皮切りに
さっきまでののんびりムードが一転緊張が走った。
当時は自分が運転で雨の中現場まで向かった。

サイレンがけたたましく鳴る中助手席の班長が一言
「こういう小雨の日って決まって変な事が起きるんだよな・・・」
俺は「変な事ってなんですか?まさか幽霊とか?(笑)」
すると後ろの席の先輩が「そのまさかだぜ」
俺自身怪談ものとか大好きだったので興味深々の中現場に到着。

死亡ひき逃げ事件との話だったので遺体を確認しようと
器材一式を持って班長と制服警官の方に向かった。
班長が「マルガイ(被害者)は?」
すると警官が「あそこです。」と目を伏せながら向こうを指差した。

そこには1台の車が停車していた。
ひき逃げとのことであったがどうやらマルヒ(被疑者)は戻ってきたらしい。
その車の屋根を見た俺は言葉を失った。
頭が完全に潰れた遺体がしがみついていたのだ・・・

さすがに班長も驚いてたがすぐに「現場検証はじめるぞ」と
私たちに言って作業しだした。
マルヒの話では轢いて一旦止まったが怖くなって逃げたとの事。
車を出そうとした時その死体が車にしがみついてきたとの事。

結局科学的に証明できないので偶然轢いた死体がのったという事で
報告書は出されたが検証に立ち会った俺が言う。
遺体の手はしっかりと屋根の上に付いているスキーなんかをのせる
台にしがみ付いていた。

班長や先輩もこんな事いちいち気にするなと軽く言われた。
警察や消防みたいに現場に行く人間はしょっちゅう不思議な体験するからと。
この後も色々あったがそれはまたいつか。
因みに今は地域課だがいろいろある・・・ 

前の話へ

次の話へ