お泊り会

254 :本当にあった怖い名無し:2007/05/29(火) 02:20:11 ID:6dTDiNMK0

>>245です。
荒れるとは思わず気軽に書き込んだのは軽率でした。

私の通っていた小学校には「お泊り会」というものがありました。
夜は皆で講堂に布団を敷いて寝るのですが、興奮していたせいか私は深夜目が覚めてしまいました。
高い窓から月明かりがさしこむ講堂のなか、周りは静かな寝息がきこえるばかりです。
寝よう寝ようと思うとますます眠れなくってしまい、そのうち私は尿意をおぼえてきました。
何度かトイレに行こうと布団からでたり誰か目をさまさないかとしばらく待ってみたりしたのですが、
なにごとにも限界というものがあり、私は意を決して校舎のトイレにむかうべく講堂の引き戸をあけました。
戸をあけるとすぐ、○○先生がいました。いたというか、戸のむこうぎりぎりに立っていたとしか思えないような距離で
私と先生は向かい合うことになっていました。ちょっとびっくりしましたが、一人で学校の暗いトイレにいくことは免れそうです。
「あの、トイレに・・・」と私が言うと、先生は「おしっこ?じゃあ、いっしょにいこうか」と私をみおろして言ってくれました。
手をつないで講堂とは反対側にある校舎のトイレに向かいます。先生は、ちょっと痛いくらいに私の手を握って歩きます。
上履きを履いた私の足音と、ぺたぺたという先生の足音がひびく他、物音はありません。
トイレの電気を先生に点けてもらって、私は用を足しました。手を洗ってトイレから出ると、先生はいません。
トイレの電気を点けっぱなしにして、私はダッシュで講堂にもどり、ふとんに潜り込みました。
あとは何事もなく眠りにつくことができ、次に目を開けたときにはもう朝でした。
周りからは少し早く目を覚ました子たちの話し声が聞こえます。
しばらくぼんやりとふとんのなかで過ごすうちに、私は○○先生が前学期に転任したことを思い出しました。
もちろん今回のお泊り会にも参加していません。考えているうちに怖くなってきましたが、辺りはもう朝です。
私は夜の間にそれを思い出さなかったことに安堵しました。

結局、その夜何故先生がそこにいたのか分からずじまいです。ほんとに「ほんのり」ですが。

前の話へ

次の話へ