同じ夢

949 :925:2007/03/28(水) 21:15:07 ID:bg8Eq64u0

他人のふんどしを借りるようで悪いが、Yの話がまだあったので語ってみる。

Yはおばあさんもまた霊感の強い方だったらしく、余所の失せものを当てたりしていたそうだ。
一度も遊びに行ったことのない家の人に
「あんた鍵なくしたでしょう、それはね、玄関入って二個目の部屋に箪笥があるでしょう(断定形)。
その引き出しの何段目に入ってるから云々」
とすらすら当てて見せたりしていたという。

ある時、彼女の夫(Yにとっては祖父)の伯父が亡くなった。
それと同時期に、彼女は同じ夢を繰り返し見るようになった。
その夢とは、
彼女が床についていると、部屋に何ものかが入ってきて、彼女を連れ出して外へ行く。
付いていくとしだいに山へと入っていき、洞窟の中に導かれた。
奧に辿り着くと、そこには骨が積まれており、何ものかはそこに入るよう彼女に指図する、
というもの。
何度も夢を見た彼女は、そのうち死者の魂がさ迷っているのだろうと思い当たり、
その伯父の家に「遺影に写真が入っていないのではないか」と尋ねた。
すると実際に写真は飾られておらず、遺族は言い当てた彼女に驚いたという。
写真とは魂を閉じ込めるもの。死者は写真がなく閉じ込められずにいたため、さ迷い出て
彼女を「向こう側」へと誘いにきたのだろう。

ちなみにこの話にはオチがあって、なぜその死者が身内である夫に夢を見せなかったのかというと、
Y「おじいちゃんは全然見えない人だから、気づかれなかったんでおばあちゃんのところにいったんじゃないかなー」
私「旦那のお陰でとんだ迷惑じゃねえか」
見せなかったのではなく、見せられなかったのだという話……。

長文スミマセンでした m(_ _)m

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