最終電車

626 :その1:2007/02/16(金) 12:17:39 ID:rtrVYCDU0

久々の書き込み+長文となります。

電車に乗っている。東京は総武快速線。
いつもの通勤経路、帰り道。
私は座席に座り、隣の女性と話をしていた。
その女性に対して面識は無いが、楽しく話をしている。
「次は馬喰町、次は馬喰町」
アナウンスが流れ、駅に着く、人が降りていく
電車が発進し、ちょっとして「次は秋葉原、次は秋葉原」 ん?
秋葉原に行くわけがないのである。
そして「次は秋葉原、終点になります」 ん??
そこで ふと思った。
これは夢だと。
総武快速が秋葉原に行くわけは無く、秋葉原は終点駅ではない。
でも終点なので、降りなければならなかった。
階段を下り仕方が無いので、タクシーを拾おうかと思っていると、何故か「最終電車がまいります。」と聞こえてきた。
急いでホームに戻り、千葉方面各駅電車に飛び乗る。夢と認識しているのに。
中は混んでいたが、錦糸町につくと人がざっと降りていき、座れるほどガラガラになった。
対面式の座席があり(あるわけない)座ると先ほどの女性がいる。
やはり楽しく会話を始めた。
話に夢中になり、表を見ると見たことの無い景色になっている。
終電のはずなのに外は明るく、暖かくもある。

「あれ?どこだここ...」と思うと「次は□△×%#駅です」聞いたことも無い駅だ。
ただ夢だし楽しむかと、開き直って女性と談笑していた。
ただ周りには私達の他にポツンポツンと人が乗っている程度、皆無表情で俯き加減なのが気になっていた。
ふと外を見ると電車がどんどん雲に近づいている。
下を見ると線路が無く浮いていた。
女性に尋ねる。
「これってどこ行きの電車なんですかね。」
かなり軽く聞いた。
女性も笑って答えた
「天国行きですよ(微笑)」
俺も微笑み返し+苦笑。
疑問、仮定、推測、憶測...夢?現実?白昼夢?現実?
俺「これって夢ですよね(ぎこちない笑い)」 
女性「現実と夢の中間ってとこですかね(微笑み)」
俺「何で俺はこの電車乗ってるんですかね」
女性「あれ?しらないんですか?自動車事故でお亡くなりになったんですよ(微笑)」
俺「あなたは何故乗ってるんですか?」
女性「仕事ですから(微笑)」俺「ぁ...そうですか....」
電車は雲海を抜け、ぐんぐん上っていく。
とその時、下から声がした「○○~」「○○起きて~」ととても小さい声だが聞き覚えのある女性の声。
婚約者の声だ。
そこで初めて早く目を覚まさないとと思った。
女性「無駄ですよ。」
真顔だった。
「あなたはもう助かりません。」
それでも目を覚まそうと注力していると、とことこと女の子が歩いてくる。
見覚えのある いや忘れたくても忘れられない。
そう、あの女の子だ。和服を着た日本人形の様な女の子。

「駄目だよ行っちゃあ。これからいっぱい遊ぶんだから」 

ぞっとした。
俺はついに殺されたんだと。
と同時に何が何でも戻ってやると思った。
強く、強く。ひたすら戻ることに意識を集中した。
すると床下に穴が開き...落ちた。
ぽろって感じで。多分かっこ悪かったと思うような落ち方だった。
雲を抜け、地上がどんどん迫ってくる。
そして、どっかの屋上を抜け、何階分かをすり抜け、自分の体があった。
一瞬だが「あっ いろんなの くっ付いてる」 のどにカニューレもついていた。
が次の瞬間、体に激突... と思ったら、目が覚めた。
体には色々くっ付いていた。
動けない。
声も出せない。
看護師さんが私に気づき、そっからはもうドタバタだった。

事故から6日目の目覚めだったらしい。
あたまはそってあり、頭皮は縫ってあった。
交差点、歩行者用信号青。
信号無視の軽トラが突っ込んできたらしい。
脳ヘルニア?で担ぎ込まれたらしい。
当然記憶など無い。

今はその事故から2ヶ月。幸い後遺症も無く まだ入院中、リハビリ中だが、元気になった。
この文書もリハビリを兼ねて書いている。
お気づきの方はいらっしゃるだろうか。
昨年9月あたりに バイクのりでSE 
日本人形の様な女の子に好かれてしまった事を書いた者です。
こんな結末?(結末であってほしい。ってかいい加減開放して)になってしまいました。
幸い魂は取られず、帰ってまいりました。
この2ヶ月 女の子は来ませんし嫌な感じもありません。
あのまま電車にのって天国に行ったのかしら。

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