当番

675 :本当にあった怖い名無し:2007/01/16(火) 01:34:59 ID:P+VnmjAOO

小学生の頃、俺はどこの町にもある〇〇台。つまりちょっとした山(丘)の中腹のアパートに住んでたんだ。
住宅地だし東京の境に近かった事もあって、山という感じでは無いのだけど。
夜になると、山の半分は墓地や林ということもあって結構暗かった。
(山の中腹と一番下に墓地への入口が付いていて、墓地沿いに道がある。)


当時うちはグループでまとめ買いした食料を当番の家の前まで取りに行か無きゃならないシステムの生協に入っていた。
取りに行くのは勿論子供の役割なんだけど、日も暮れて辺りは真っ暗。
自分の手元しか見えない状態で牛乳なんかをいくつ持っていくのかチェックしてサイン書いてクーラーボックスから頼んだもんを持って帰る。
毎週、暗闇で、墓地を片目で見ながら。

前書きが長くなったけど、その日もガクガクブルブルしながら、牛乳取って、懐中電灯で照らしてサインして、いざ帰ろうと一歩踏み出して、

なんか違和感が


普段昼間は墓石の上を飛んだり跳ねたりしてたけど、夜って怖いじゃん。
見えても墓なんかが並んでる方は絶対意識して見なかった。
なのに、その日は違和感が気になって墓の方(見上げる形になる)を二度見しちゃったんだ。



そしたらそこに、赤い水玉のワンピースを着た女の人が






いきなり総毛立った。
怖くて怖くて堪らなかった。
だけど声出したら、気付かれちゃう。
そもそも墓参りって深夜にやるものだっけ?

なんかいろいろ考えながら、走ると気付かれる。
と思って視線を感じたけど必死で見ないフリをした。


朝になったら居なかった。

問題は次の生協の日。

今度は坂の下でなく中腹(家の前に同じ服着た人が居る。




もう堪らなくなって走った。家に行けばよかったけど、律義に牛乳取りに下の家まで。で、下まで走ったら
ま た 居 る

寺の構造上、どんなに走っても追いつけるはずがないのに、こないだと同じポーズで。





それから家にどうやって帰ったかは覚えてない。

解るのは、恐怖のあまり牛乳をしこたま落として「次回はおまえじゃなく弟に行かせる」って叱られたことだけだ。



因みにその台。頂上は円墳、中腹に寺三つ(うち一つ廃寺)神社一つ祠少なくとも5箇所のとんでもないスポットだった。
今は次々と祠(といってもほとんどおいなりさん)が忘れられて、老朽化で壊れてるけど

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