宿題

624 :本当にあった怖い名無し:2007/01/14(日) 15:55:32 ID:ZfZLNio30

歳の離れた弟がいるが、こいつはよく宿題をやりわすれたり、
作文が書けなかったりする子どもだった。

彼が小学校だったころ、ある頃から彼が半泣きで机に向かうようになった。
あんまり宿題をやらないために酷く叱られたんだろうと思っていたが、
それは毎日のことになり、さらには半泣きを通り過ぎてヒステリー状態に陥るようになった。
母も自分も何かがおかしいと思い始めて話を聞くと、
彼の担任はある日漢字テストをし、グループ内に一定の点数を取れない者がいた場合は
グループ内の全員に漢字練習をさせたのだという。
漢字練習でグループで連帯責任というのもおかしな話だな、と思っていたが、
それよりも尋常じゃないと思ったのは、練習しなくてはならない量が日に日に増えていくということだった。

もし誰かが目標点を下回った場合、次の日には2ページ漢字を練習してこなくてはならなかった。
彼はその漢字練習の中でいくつかの間違いをしたために、次の日は4ページ練習しなくてはならなかった。
さらに字が汚いといって、そのまた次の日は8ページになった。

増え続けて、そのときには32ページ分の練習を要求されていた。
しかもノートを見ると、ほとんど難癖をつけているとしか思えないようなコメントが書いてある。
そのくせ間違った字を書いているところには訂正が入っていない。
母が弟の同級生の親に電話で聞いたところ、その同級生はそのような宿題をさせられてはいないという。
どう考えてもおかしいと思った母はノートにコメントを残すようになったが、
その教師は執拗に弟に漢字練習を課し、弟は泣き喚きながら机に向かうようになった。
それを見守りながら母も(元々その傾向はあったが)ヒステリックになっていき、
家庭内が殺伐としたのが何ヶ月か続いた。

次の春にその担任は別の小学校へ赴任し、弟は私も教わったいい先生のクラスに入って落ち着いた。
自分の弟に起こったことだからかもしれないが恐ろしかった。

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