小屋の中のラーメン

63 :本当にあった怖い名無し:2011/02/27(日) 07:34:01.48 ID:eYOjPfioP
小学校の冬休みの時のことだったと思う。
珍しく、僕は友人とスケートを滑りに行った。
その帰り道、時間は7時ぐらい、日もとっぷりと暮れ、
僕の家までもう、4,5分というところで、友人が、
ある小屋の中を覗いてみないか、と言い出した。
その小屋とは、駅前に、駅の乗降客目当てにお焼きを売っていたもので、
その線が廃線となってからもしばらくは頑張っていたが、
今は人気なく、何もない、ただ、道があるだけの四角に
ひっそりと立っていた。

疲れていたし、もう、遅かったけれども、家がもう近いこともあって、僕は同意した。

と言っても、中は物置くらいのスペースもなかった。
一応、二つにしきられていて、奥の材料やらなんやらを置くスペースと、
手前の、おやきを焼いて、客に渡すスペース。
その、ぽっかりと四角く開いた開口部から、街頭の明かりが中を照らしていた。

と、その時、僕らはありえないものをそこに見た。
その開口部につけられた棚の上にあったのは、ラーメンだった。
オーソドックスな醤油味。麺はどこかの製麺所の縮れた黄色い色。
具は、メンマにホウレンソウ。チャーシューやゆで卵がのっていたかどうかは記憶にない。
それが、どこかの中華屋の丼に、ごく普通に収まっていた。
恐る恐る、小屋の中に吹き込んでいた雪で、雪だまを作って中に入れると、
それは、ぽちゃんと、中に沈んだ。
僕らは一瞬固まってから、「うわー」とか叫びながら飛び出した。
有り得ないのだ。
小屋とは言っても、ぽっかり開いている開口部で、雨はしのげても、
この寒さでは寝れば即凍死。誰かが住んでいるなどありえないのだ。
しかも、ラーメンは、湯気こそ立っていなかったが、凍ってもいなかった。
と言うことは、僕らが小屋に入る少し前にそこに置かれたことになる。

あれはなんだったのか?
その後、昼間とかに調査してみれば良かったのでしょうが、
結構充実した小学校生活を送っていたのか、そのことはあっさりと忘れてしまいました。(最近思い出した)

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