俺は怖がりだ

805 :1/5:2006/12/12(火) 01:28:40 ID:EFCQmF1d0

俺は怖がりだ。超怖がりだ。ついでに言えば、変態だ。
んなもんだから暗闇の道を歩いたりしてる時に恐怖に襲われると、大抵
「来るなら来いやー!俺の毛の生えた拳銃が火を噴くぜ!」
だとか
「俺の肉地蔵で成仏させてやるわい!」
と見えない何かに脳内でセックスアピールすることで恐怖を振り払うようにしている。
(ハッキリ言ってバカだと思う)

そんな俺が2日前、灯りの少ない田舎道を歩いている時にふと恐怖に襲われた。
(なんとなく田んぼの先の暗がりを見た時だっただろうか)
こうなってくると、もう何でも怖い。木も路上駐車の車も自分の影さえも。
だもんで妄想開始。
「女の霊が襲ってくるだろ、俺の毒蛇口から聖水(白)が出るだろ、完璧」
とか、過去に見た神AVの総集編を頭で再生して恐怖を振り払う。
そしたら、恐怖はなんとか薄れたんだけど今度は妄想が止まらなくなった。
思わず目を瞑って妄想に身を委ねる。頭の中のハーレムで奮闘する俺。
「(グヘヘヘ…幽霊だろうがなんだろうが手篭めにしてやるわぃ)」
んで、目を開いた。顔のすぐ前に人が立っていた。

驚きで飛び上がり、そのまま体勢を取れず尻餅。
え、え、あれ、ありえない。ありえない。目を瞑ったのは一秒程度。さっきまで誰も。
そこで更に気づいた。目の前のは人じゃない。黒い。影のように。全身が。
なんで人と思ったんだろう。人の形はしてるけど、違う。明らかに。
その影は俺をじっと見つめているようだった。顔は真っ黒で見えなかったけれど、そう感じた。
次の瞬間、俺は馬乗りの形で影に首を絞められていた。
凄い速さで倒れ掛かるように襲い掛かられ、反応すら出来なかった。
まるで首の周りの空気が圧縮されたような不思議な感触。
だが力は絶望的に強い。万力のように首が締め付けられる。折れる…。折れる!
息が止まり、苦しみと共に急速に意識が消えていく。
だめだ。死ぬ。絶対に死ぬ。わけわかんないのに死ぬ。死ぬ。死ぬ!
恐怖と混乱だけが頭を支配していた。何も考えられなかった。ただ怖かった。

…しかし、その時、いきなり目の前の影が「女」であることに気づいた。
(感覚で分かった、という感じ)

「ウフェヘヘヘヘ」
その擦れた低い空気の振動音が自分の笑い声だと気づくのに少し時間がかかった。
そして、そのことに気づいた瞬間に感情は爆発した。

「ウエエアアアアヒャヒャヒャヒャヒャー!」
どこにそんな力があったのか。可笑しい。ただ可笑しかった。笑いが底無く込み上げた。
影の手の力が弛んだ。戸惑っている。直感的に感じた。
捕まえてやる!影の腕目掛けて右手を放った。しかし寸での差で影は体を後ろに引き、空振った。
だが首から手は外れた。明らかに影は脅えていた。

「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ……」
相変わらず腹の底からの笑いは止まらなかった。むしろ、影の脅えようを見て感情は更に昂ぶった。
罰だ!これは罰だ!捕まえてやる!捕まえてやる!頭の中で何故かそんな言葉が鳴り響いていた。
そしてその言葉通りに影に襲い掛かろうとした瞬間、影が薄くなったように見えた。
思わず獣のように飛び出す。しかし空を切った。影はいなくなっていた。

その後、しばらくそのままの体勢で感情の消化。
(ずっと笑っていた。途中からは何故か涙も出てた。)
(んで「うわー、俺笑いながら泣いてるよ。おもしれー」と更に笑えた。うひゃひゃと)
落ち着き、家に帰ると体調最悪。熱を測ると38.2℃。そのままバタンキュー。
そして二日間休み続け、少し楽になり今に至る。

寝込んでる間、夢は見なかった。だが昔の記憶を掘り起こしてみたところ、
そういえばこの地域は昔は凄い男尊女卑で、集落で女は奴隷同然だった……とか
そんなんを習ったような気がする。確証は無い。でもこれっぽい気がする。

内容長くてつまらなくてスマン。でも、とりあえず誰かに知ってほしかった。なんとなく。
今はどうしようか考え中。…家系図調べてみようかなぁ。

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