和室の雰囲気

879 :1:2006/11/03(金) 11:11:15 ID:dDuRluQj0

実家の話。
実家には二間続きの和室があって、奥の部屋に仏壇があった。
手前の部屋にテレビがあって、
自営の仕事をして夜遅くまで帰宅しない両親を待ちながら、
よく弟とテレビを見ながら過ごしていた。
二人でテレビを見ているときはいいのだけれど、
夜一人で見ている時など、必ず仏間との境目の襖はきっちり閉めていた。
自分は霊等は見えないけれど、
何故か夜9時を過ぎるとその仏間の前を通るのさえ怖くなる。
だけどそんなことを言えば弟も怖がらせてしまうし、
親にさえ笑われてしまうと思って何も言えずじまい。
気がつくと9時を回る頃には自分の部屋にこもってしまって、
テレビ自体をみることをやめてしまっていた。

数年後に結婚して実家に帰ったとき、
なんとなくだが、その和室の雰囲気が以前と違い、
すっかり明るい感じに変わり、
子供と一緒にその部屋に寝たが怖いとも何とも思わなかった。
母に「あのテレビの部屋と仏壇の部屋、明るくなったね」と話すと、
母から意外な話を聞いた。

いろいろ仕事の事や他のことで悩みがあった母は、
さる人の伝手でその近隣に密かに知れ渡ってる拝み屋さんを呼んでいた。
実家のある土地は川が近くにあり、
大昔から流れて溜まった土砂が積み重なってできた土地の上に家が建ってる。
水はいいものも運ぶがよくないものも運ぶ。
おまけに仏壇のずっと真下の方に、400年ほど昔に無念のうちに亡くなった女性と子供がいて、
その負のパワーで本来仏壇に奉られているうちの親族達の霊を追い出してしまった挙句、
自分達の上に住んでいるということで怒り、実家を祟っているとのことだった。
かなり念入りにお祓いをしてもらってる最中、
地震でもないのに仏壇だけががたがたと大きな音を立てて、
まるでそのお祓いに抵抗しているようだったとのこと。

よく何年もそこで生活していたなぁと改めて思う。


886 :本当にあった怖い名無し:2006/11/03(金) 14:45:44 ID:av1gktJ1O
>>885
400年もの念を持ち続けた霊と、拝みやの詳細聞きたい。なぜか孔雀王バリの想像を掻き立てた。


887 :879:2006/11/03(金) 15:05:11 ID:dDuRluQj0
>>886
自分がその場に立ち会ったわけではないので、うろ覚えですが…。
その無念なうちに亡くなった女性の夫は侍だったらしく、
何かの陰謀に巻き込まれて亡くなったそうなのです。
子供といっても本当に幼子で、
夫を頼りにしていた彼女は頼むものさえなく、
恨みを持ちながら自害。
ずっとそこに埋もれたまま土砂がどんどん重なっていって宅地になった頃、
たまたまそこに家を建て、しかも仏壇の位置がドンピシャリだったことで、
実家に祟りが…ということだったように記憶しています。

拝み屋さんは実家付近の近隣で、
口伝手に知られる陰の有名人でした。
実家のある土地はちょとした観光地なのですが、
ホテルや旅館などというものはそういったオカルトなものとは縁が切れません。
そのためにあちこちから秘密裏に呼ばれてお払いしてもらう貴重な方で、
もちろんホテル関係者以外でも視てもらうことは可能でしたが、
なんせ依頼が途切れることのない売れっ子先生で、
何かコネでもない限り視てもらうというのは非常に難しかったらしいです。
母が言うには、その拝み屋さんのスケジュールを抑えてもらうのが困難だったとか。
少し会って話しただけで、その人の本家の墓が22代まであるが、
そのうちの4代目の墓だけがなおざりにされていて哀しんでいるとか、
すらすら話し出したりするらしいです。
実際に本家のお墓と家計図を調べてみてその通りだったというのも珍しくない。
ちょっとだけ未来予知っていうんでしょうか、
商売の様子なども「来年はいいよ」とか教えてもらったとかも聞きました。

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