聞いて欲しいこと

525 :本当にあった怖い名無し:2006/10/21(土) 00:50:59 ID:XV7oYJNk0

友人のところにさして親しくもない先輩から電話が着たそうです。

「あのさ、ちょっと相談、ていうか聞いて欲しいことがあるんだよ。
 君さ、ああいうの詳しいだろ?霊とか、怪奇現象とか」
「ええ、まあ・・・でも詳しいって訳じゃ・・・」
「あ、いいからいいから。聞いてくれるだけで十分だから」
「はあ・・・」

結局、友人宅近くのファミレスで話を聞くことになりました。
先輩の話はこうでした。

引っ越したばかりの部屋の洋式トイレで大の用を足そうという時のこと。
いつものように気張った後、当然のように「ちゃぽん」と音がします。
皆さんもおそらくそうすると思いますが、何の気なしに出たものを確認したそうです。
すると本来そこにあるはずの物はなく、代わりに別のものがぷっかりと浮かんでいました。
目玉です。眼球です。

「え?」

眼?いやピンポン球?トイレの洗浄剤か?

どう見ても眼球です。ありがとうございました。

俺の・・・から眼球が?
そんなはずはないと、自分の分身を探しますが見つかりません。

念のため、両方の目蓋を押してみるとちゃんと自分の眼球の抵抗を感じます。

トイレから飛び出したい衝動を抑えて、とりあえず出すものは全部出すことにしました。
幸い、後から出たものは普通のものでした。
その後、いつもどおりトイレットペーパーで拭き、そのまま流したそうです。

「流れたんですか?」
「流れた」
「で、そのあとは?」
「・・・何もない」
「何も?」
「うん、だから意味が分かんなくて、余計に気色悪いんだよ」
「うーん・・・そう・・・です・・・ね」
友人はしばらく考えて
「どうしても気になるようでしたら、知り合いにお払いでもしてもらいましょうか?」
というと先輩は
「あ!ほんと?そうしてくれると助かるわぁ!」
と心底ほっとした様子で、何度も礼を言い帰っていきました。


後日、先輩はきちんとお払いをしてもらったそうです。


友人は、ファミレスの外にぽっかり空いた眼窩から血を流している女性がいたこと
そして話の間中、ガラスに手をつき顔を近づけ見えるはずのない眼で舐め回すように
先輩のことを見続けていたことを、まだ、内緒にしています。

前の話へ

次の話へ