父親の実家は寺

154 :本当にあった怖い名無し:2006/08/31(木) 04:12:38 ID:xb60vP2p0

家族の話

父親の実家は寺。
小学生のとき、夏は家族で泊まりに行って休みを楽しんでた。
ある時、妹が熱を出して爺ちゃんの家に来れなくなった。
妹は親父と留守番、俺はお袋と寺へ行った。
寺に着くと、禿げの爺さんが笑顔で迎えてくれた。
俺は思いっきり遊んで、夕飯をたらふく食ってお袋と一緒にテレビを見てた。
本堂からは爺さんの読経が聞こえる。
小さい頃から聞いてたので、別に怖くは無い。
でも、読経を聞く事に集中しすぎてて、電話が突然鳴った時に死ぬほどビックリした。
電話に出ると、妹だった。

「どしたん?熱、だいじょぶなんか?」
「兄ちゃん?」
「うん、俺よ」
「母さんは?」
「おるよ」

「ねえ、何で母さん泣いとったん?」

妹が言うには、熱が下がったと言うために電話をかけたらしい。
俺が取った電話の前に一度、寺に電話をしていた。
そしてその妹の電話に出た女は、泣いていた。

かけ間違えたのかもしれない。
もしかしたら、そうではないのかも。

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