海で監視活動

116 :1/5:2006/08/29(火) 11:13:17 ID:dhHYImXi0

自分はこの夏、海で監視活動をしていました。


浜にはたくさんの海の家が並んでいて、
その真ん中に僕たちの待機する場所がありました。

つい先日、監視業務が終了し、
遊泳者もほとんどいなくなったので、
泳ぎのうまい女の子(A)とトレーニングをしにいくことになりました。

トレーニングの内容は、
待機場所から、海に向かって左(グーフィー)端の海の家まで走って行き、
そこから海に入り泳いで待機場所まで戻り、
グーフィー側に並ぶ海の家の真ん中まで走って行って、
待機場所まで走って戻ってくるというものでした。

トレーニングを開始して、
最初の走るところまでは同じペースでついていったのですが、
海に入って泳ぐとなるとAは圧倒的に早く、
どんどん離されていきました。

けっこう長い距離だったので、
僕は全力ではなかったにしても、
それなりに懸命に泳いでいました。


半分くらい泳いだところでしょうか。
「○○(←Aが僕を呼ぶときの名前)、助けて」
というような声を聞いたような気がしました。

(実際には、頭の中に響いた、というか、
そんな感じがしたという程度で、
『聞こえた』言葉も記憶が定かではないです。
ただ、名前は確かに『聞こえた』と思います)

そこは××という店の前付近で、
他の場所に比べ深くなっているところなので、
もしかしたら、という思いがあって、
僕は泳ぎながら頭をあげて、周囲を見渡しました。

しかし、Aの姿はもちろん、他の誰の姿も見当たりません。
やっぱり気のせいだったのだ、と思いそのまま泳ぎ続けました。

泳ぎ終わり、陸に上がると、
すでに最後の走りも終わったAが待っており、
僕は、少しほっとしながら、最後の走りを終えました。

「おつかれー」
とタイムを言いながら僕を迎えてくれるA。

しばらくして、息を整えながらいる僕にAが、
「××前で、誰かの手が足に触れた気がして、
周りを見たけど誰もいなかったの!」
と言いました。

僕がドキッとしながらも、
「木の枝とかだったんじゃないのー」
と言うと、
「違う、ちゃんと手の感触だったもん。
○○早いなー、と思ったんだけど違ったー」
と答えるA。

そしてAは
「××前って、昔女の子が亡くなったとこだよね」
と続けました。
僕は
「そうなんだー」
と言うだけで、
なぜかさきほど自分に起こったことを言う気にはならず、
その会話を終わらせました。

手が触れたと思ったのは、Aの勘違いだったのかもしれないし、
声が『聞こえた』のは僕の思い過ごしだったのかもしれない。

だけど、この2つが××の店の前付近、
という共通性があるってことが、
僕にとってほんのり怖い体験でした。



わかりにくい上に、長文失礼しました。

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