少年の笑み

856 :本当にあった怖い名無し:2006/08/20(日) 09:54:38 ID:Jy5G+HR80

怖くも何ともないのですが、ちと、質問がてら。


レポートをパソコンでカタカタ打って、ようやく終わったのが深夜三時。
いっそ徹夜したほうがマシかなと思いながら、全く寝ないと明日はきついし、と布団に入る。

夢を見た。
だだっ広い田舎の住宅街。
異様に日差しが強く、家の壁はほどんど白く見える。
しかし、そんな白昼なのに、蝉の声どころか人の声もせず、そもそも物音自体がない。
無音の中を少し歩いていくと、道端に少年がしゃがんでいた。
背中ごしなので表情は見えない。だけど、何とはなしに彼が泣いているのが分かった。
大丈夫か、と声をかけるつもりで肩に触れた瞬間、
少年は凄い勢いでこちらを振り返り、悪意と満足をたたえた笑みに顔を歪ませ――。

そこで目が覚めた。
悪い夢を見たせいで、体が嫌な汗で濡れている。
呼吸や鼓動は乱れてないものの、どうにも吐き気がする。ろくでもない目覚めだ。
見れば周囲は真っ暗、まだ日は昇っていないのだろうかと思い、時計を見ようとした。
体が、動かない。
わぁ人生初金縛りと一瞬喜んだが、次の瞬間、認識が切り替わった。
さっき見た夢の中で見た少年の笑みが、頭を離れない。嫌な汗がまた出てくる。
ふと、足先あたりに気配を感じ、視線をうつした時、それを認識した。
暗い、黒い、何かの塊。人の形はしていない不定形の、しかし人に近いモノだとわかる。
俺が体を動かせないのを良いことに、それはじっくりと顔先へと這ってくる。
やばい。焦りに突き動かされ、体を動かそうとするが、金縛りは健在のまま。
黒い何かは腹の辺りまで上ってきていた。
動け。動け動け動けぇっ……!

とか思ってたら、マジで手が動いた。
体が水中から出たときのように、何かを振り切った感覚がした後、布団を思いっきり払いのけていた。
気付けば、手足は普通に動くようになっており、さっきまで俺の体にのしかかっていた黒い影はもういない。
何なんだ一体、整合性もろくにない……と思って時計を見たら、午前五時。周囲が明るい。
本当にろくでもない夢を見たもんだなーと思いながら、寝なおすことも出来ず、そのまま起きました。

というわけで、実際に俺の見た夢がこうだったのですが……
……金縛りって気合で解けるんですかね? それとも「目が覚めたら金縛りにあった」という夢を見ただけ?
どうにもよくわかりません。

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