中央特快

662 :本当にあった怖い名無し:2006/07/18(火) 09:57:30 ID:aZC5GBt20
やっとのことで納期をクリアし、打ち上げ前にみんなで労を労い合っている時のこと。
馬鹿話が段々オカルト話になり、ふと上司が話してくれました。
彼女の家は西国分寺にあって、ある日の帰りいつものように中央特快に乗りました。
ふと三鷹あたりで、自分の前に立った人の靴が妙にぶかぶかなことに気付いて顔を上げると、
その顔は人間ではなかったそうです。それは緑がかった灰色の肌で、
顎が妙に細くて目はリスのように大きく真っ黒で、鼻がありませんでした。
彼女は咄嗟にお面を被っているのだろうと思いつつ視線を逸らしましたが、
その視線の先に同じような人がもう一人いて、彼女を見ていました。
彼女は身の危険を感じてどうにか逃れようとしたらしいのですが、
膝のわきに足を置かれ、じーっと覗き込まれたそうです。車内は静まりかえっていて、
周りの人は全く気付いてくれず、ようやく国分寺に着いた瞬間彼女は猛然と下車しました。
ところが階段の途中で振り返ると、その二人がするすると自分を追いかけてくるので、
彼女は人をかき分けで改札を出ました。そしてしばらくコンビニで時間を潰してから
西国分寺へ向かうために快速に乗りました。
しかし西国分寺駅に着いてホームに降りようとした時、
階段の下にさっきの人がいるのに気付いた彼女は、そのまま降りずに、
その日は立川の友達の家に泊まりました。
そして彼女は次の日から、中央特快に乗るのをやめたそうです。

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