隣の棟

347 :本当にあった怖い名無し:2006/07/07(金) 14:34:41 ID:LjGZ5TeY0

私がまだ幼稚園に通っていたころ。
家は団地で同じ作りの建物が6棟あるうちの一つ、最上階の部屋だった。

ある日ベランダでシャボン玉を作って遊んでいると、隣の棟の丁度うちと真向かいの部屋の窓から自分と同じ歳くらいの女の子がこちらを見ているのに気がついた。
なんとなく手を振ると、彼女もニコッと笑って手を振りかえしてくれた。
それから毎日のように、私はベランダから、彼女は窓から手を振り合うようになった。
時には、よく見えなかったけど幼稚園で作った工作や絵を見せあったり。
棟どうし、顔は見えるけど話をするには叫ばないと聞こえないくらいちょっと微妙な距離。
会話はできないし、彼女の名前も知らないけれど(当時私は彼女のことを女の子ちゃんと呼んでいた。
今思うと「ちゃん」はいらないな……)、それでも毎日手を振るだけでうれしかった。

そんなある夜、私がベランダ側の部屋で一人で遊んでいると、「キャーッ」っという悲鳴とともに向かいの部屋の窓が大きな音を立てて開き、女の子が泣きながら顔を出した。
そして窓の外側の手すりにすがり付いて泣く彼女を母親らしき人が彼女の腕をつかみ、部屋に引きずりもどした。
私が唖然として見ているのに気づいた母親は、ピシャリと窓を閉め、カーテンも閉めてしまった。

しかし外は真っ暗、カーテンも薄かったらしく彼女が母親に殴られているシルエットが影絵のようにはっきり映って見える。
しまいには彼女の両足首を持って逆さ吊りにし、何度も揺さぶりだした。

「うあああーん おかあさーーんっ 女の子ちゃんがああああっ!!」
私はあまりのショックに半泣きになりながら母を呼んだ。
驚いて駆けつけた母は向かいの部屋のシルエットを見るなり「電気消して!!」
と言った。私が訳が分からず(?)な状態で立ち尽くしていると、
母「早く消しなさい!」私「・・・」。
私はとりあえず電気を消して「なんで?・・・・」と聞いてみた。
母「こっちから見てるの気づかれちゃうでしょ!」 私「(;゜ロ゜)・・・」

私は真っ暗な部屋で窓ガラスに張り付き、向かいの部屋で行われている児童虐待を凝視している我が母にほんのり恐怖を感じた・・・・


351 :本当にあった怖い名無し:2006/07/07(金) 14:56:48 ID:0lEzqWq30
>>350
で、その女のコが今の奥さん?


352 :本当にあった怖い名無し:2006/07/07(金) 15:02:14 ID:tHFhnPlk0
>>350
見た目上品な人に限って裏では…ってことが多いと思うな
悪い人って言うんじゃなくて、ストレスを溜めちゃうんだろうね
家の母がそんな感じだった(当然、俺は上品だなんて思えないけど)
>>351
ワッフルワッフル


353 :347:2006/07/07(金) 15:20:10 ID:LjGZ5TeY0
>>351-352
かなり教育熱心な家だったみたい。
暴力のこと、それとなく彼女に聞いてみたけど黙り込んじゃって話してくれなかった。
あー話したくないんだなって思ってそれ以後何も聞かなかった。
2年後に彼女の弟が入学してきたんだけど、目のあたりに青あざ作って
登校してきたことがあった。見なかったことにした。
6年生になって、彼女私立中学受けるって言ってすごい勉強してたなー
中学受かってから引っ越しちゃったからそれ以来会ってないよ。

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