エロビデオ屋でバイトしてた時のこと

322 :本当にあった怖い名無し:2006/07/06(木) 22:29:40 ID:sUeNehjy0

エロビデオ屋でバイトしてた時のこと。
客が一人、雑誌を引っ掴んで店の奥へと進んでいった。
しばらくして、ビリビリ、と雑誌を包装してるビニールが破かれる音がしてきた。
個人的には、エロ本なんて読ませてもいいと思ってた。でも中身を見せないほうが売れるんだって。
規則では、この場合はお代をいただくことになってる。
正直、めんどくせえなあ、と思いながら、客の所へ向かった。
「お客様、申し訳ありませんが……!?」

考えらんねえ。ありえねえ。つーかこんな生き物みたことねえ!
その客はうつぶせに床に横たわり、開いたエロ本の両端をヒジで固定して蠢いていた。
くねくねくねくね蛇みたいに動いてる。ズボンとパンツは脱ぎ捨ててあり、真っ白なケツが見えた。

もうどう注意して、いや、どこから注意していいものやら分からなかった。
マニュアル通りのセリフも吹っ飛んだ。
「お、お客様!!」
そう大声を出すのが精一杯だった。するとそいつは、
「もうちょっとだから!もうちょっとだから!フンッ、フンッ、フンッ!」
息遣いも荒く言い、最高潮間近であることを俺にアピールする。

「ちょ、これ(雑誌)まだお客様の物じゃないし…」
ちがうだろ俺!もっと状況に即したこと言えよ!と後で思ったけどそん時はこれがいっぱいいっぱい。
「ほ、ほんとにもうちょっとなんでフンッ!カンベンしてくださフンッ!」
「ふざけんなあああああああああ!!!」
カンベンしてほしいのはこっちだド畜生!もーコイツは客じゃねえ。そう決めた!

俺はズリネタ雑誌を奪い取ろうとした。だがコイツは雑誌に全体重をかけて死守してやがる。
うぜええええ!!剣道部の握力ナメんなよこの変態が!
全力を出した甲斐あって、雑誌を奪い返すことができた。無惨に破れちゃったけど。

「てめえレジ来い!金払えよ!」
ちがうだろ俺!そこは警察じゃないだろうか?と後で思った。

ソイツは諦め切れないらしく、チンポ立てたままでゾンビのごとく襲い掛かってきた。
その、突き出された両手を見て、怖気が奔った。
こ汚ねえ白い液体でべとべとだった。一発イってんのかよ!

「かえせ、ハ、かえせぇ~」
「ち、近寄んな!!!」
正常な男子であれば、絶対に触れたくない汚物だ。
手加減なしの前蹴りをみぞおちに喰らわせ、距離を稼いだ。

ソイツは棚にぶつかり、DVDのケースがばたばた落ちた。それを直すのも俺の仕事になる。
「うう~、すいません~すいません~」
暴力が効いたのか、変態野郎は早口でそれを繰り返して、走り去っていった。

現場に残されたのは、変態のズボンとパンツと汚物と破れた雑誌と散乱したDVDと嫌な記憶。
ちなみに雑誌の金は俺が払うことになった。

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