「本当であろう」と思われる話

933 :本当にあった怖い名無し:2006/06/23(金) 16:13:49 ID:i8WNkq+jO
>>904>>905ありがとうです。

廃アパートでの一件以降、俺は嘘つきから自身の霊体験などをよく聞かされた。

が、如何せんこいつは嘘つきと呼ばれる程の男なので、俺をビビらせる為、全くの作り話しもしていたと思われる。
そこで、以前この嘘つきから聞いた見える霊の特徴や、俺自身の経験(これはまた後程…)を踏まえて「本当であろう」と思われる話しを書かせてもらう。

この嘘つきが厨房の頃、近くのキャンプ場で寝泊まりするのが、学校全体で流行っていたらしい。
なので、同じ学校の違うグループの奴らがいたりするのも珍しくなかった。

当然、そんな状況なもんだから、いつしか学校の先生なども見回りに来る事が多くなり、ヤンチャ盛りの嘘つきグループは、市外のキャンプ場へと行く事にしたらしい。

軽くDQNな嘘つきグループは片道30Kmはある道のりを、男五人、チャリで向かい、途中、夕食の材料や酒などを買い、夕方前には到着。
しかし、着いた早々、嘘つきは嫌~な感じがしたらしい。
恐らくそれは、俺が嘘つきと行った廃アパートで感じた「プレッシャー」と似た様なものだろう。

嘘つきは「ここは出るよ~」と直ぐさま告げたらしいが、友人達には軽く聞き流されたそうだ。
(まぁ、友人達も嘘つきの性格を把握していると思われるので仕方のない事ではあるが…。)

嘘つきもその時点では何も見えていないし、感じただけで何も見えない時もあるらしいので友人達と共にテント設置や夕食の準備に取り掛かった。

そして、全ての作業が片付き、お待ちかねの夕食&酒盛が始まった。
(この時、そのキャンプ場には嘘つきグループ以外は誰もいなかった事を付け加えておく。)
みんなテンションも上がり、気分も上々。
しかし、それでも嘘つきの感じる嫌な感じはなくならない。
しかし、「疲れてるんだな!」と、そうではない事と知りながらも、この雰囲気を壊さぬ様、そう思い込んだ。

そんなこんなで、疲れと酔いのせいもあり、日付けが変わる頃には「寝るか?」という事になり、皆、テントに戻る事となった。

皆が寝た後、嫌な感じの為か、全く寝つけない嘘つきは、テントのすぐ脇に流れる小川の音を聞きながら、一人、眠れない時間を過ごした。

それでも、やはり眠気には勝てず、ウトウトと眠りに就こうかという時、すっかり聞きなれた小川の音の中に、異変が生じた。
それと同時に、今まで感じていた嫌な感じがより一層増した。

「パシャッ…チャプッ、パシャッパシャッ……キャハハハッ、…タノシイネェ…キャハハハッ、パシャッパシャッ…」

まるで水遊びをするかの様な少女の声が、すぐ近くで間違いなく聞こえてくる。
そして、その声を聞くや否やすぐさま友人達を叩き起こした。

突然、嘘つきによって叩き起こされた友人達はその理由を聞く必要はなかった。
その声は寝起きである友人達にも、ハッキリと聞こえていた。

「聞こえる?」
「えっwwwちょっwww」
「女の子???何で???」
「怖っ(ry」

などと、パニックになりつつある嘘つきグループ!!!…と、思われたが、DQNな彼らは懐中電灯を手に外に出る事にした。
(あくまでも俺の中では外に出るという考えは思いうかばない。ヘタレチキン野郎だから。)

嘘つきの話しによると、外に出る瞬間が一番怖かったらしいが、意を決して外へと飛び出した。

…すると、先程まで聞こえていた声がピタリと止んだ。
そして、恐る恐る小川の方へと光りを向けるが誰もいない。

益々、不気味さが増した嘘つきグループは、逃げる様にテントへと戻るが、ものの一分と立たないうちにまた正体不明の声が聞こえてきた。
さすがの嘘つきグループももう一度外へと行って確かめようとはしなかった。
皆、無意識に中央へと体
を寄せあい、声が止む事を祈った。




すると、祈りが届いたのか10~15分程たっただろうか、ピタリと声が止んだ。
そして、そのまま朝を迎えるまで一度もその声は聞こえてこなかった。

そして、夜明けと同時に荷物をまとめ、逃げ帰った嘘つきグループは、その後キャンプへは行かなくなったらしい。


この話しをした後、嘘つきは「正直、姿を見た訳じゃないから霊とも人間とも言えないけど、1番不気味な体験だった」と話していた。

俺もこの話しを聞いた時は、以前この嘘つきから聞いた霊の特徴(死ぬ直前の姿であるとか、基本的に動きがない、

会話が出来ない)などに当てはまらないので嘘(または本当に人が居た)と思っていたのだが、この後、俺自身が似た様な体験をした為「もしかして本当かも」という事で書かせてもらいました。

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