持ち主

15: 本当にあった怖い名無し :2017/09/04(月) 23:15:56 ID:C8sdETis0

割と乗降客数の多い駅の駅前広場に幼児用のブーツが片方落ちていた。
それを見た瞬間、何故かそのブーツの持ち主が脳裏に浮かんだ。

母親がベビーカーを押していて、そのベビーカーに乗っている女の子の映像。
直ぐにブーツを拾って、地下の食料品売場の隅の方にあるカフェテリアに直行。

そこに映像どおりの女の子が居て、
ベビーカーの後ろの収納ボックスに同じブーツのもう片方があったから「落としましたよ」と手渡したら感謝された。
その時はそれが自然だったから何も思わなかったけど、後から考えるとすごく不思議だ。

落とし主も、落とした瞬間も見た訳じゃないし、落とし主を知っていた訳でもない。
駅前広場周辺には他にもデパート等のビルが沢山並んでいて、どれもそこそこ混んでいた。
何故、持ち主が分かる筈のない落とし物を持って、
特定のビルの特定の売り場の隅のカフェテリアに居る持ち主の元に迷いもせず直行出来たんだろう?

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