クビリの木

160: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2006/05/15(月) 01:14:53 ID:2vTtIcn10

知り合いの話。
猟師をしていた祖父と、一緒に山に入っていた時に教えられたこと。

 どこにどんな木が生えているか、ざっとでいいから覚えておけ。
 見慣れない木がある時は近よるんじゃない。
 この山にはクビリの木というものがあって、これに捕まると首を括ってしまう。
 だから怪しい樹木、覚えのない樹木は、極力避けるようにな。

そう言われたのだという。

もっとも、木の区別がつく程の知識、俺には少しもないけどね。
頻繁に山に入ることはないけど、爺ちゃんにもっと話を聞いておけば良かったよ。
彼はどことなく寂しそうな顔をした。

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