ゲイラカイト

120:名無しさん@おーぷん:18/01/04(木)01:45:21 ID:7NK ×

俺と同級生の桃井君ふたりでの体験なんだが、
小4の正月休みに桃井君が弟のゲイラカイトを持って来て
暇だし公園でこれ上げるかあみたいな話になった。

もう30年近く前だけど、当時のゲイラカイトを知ってる人はわかるかもしれんが
今の子供向け凧と違って紐が恐ろしく長かった。たぶんガチで飛ばせば30メートルくらいの高さに上がるんじゃないだろうか、
その日は風も結構あったので、凧がむちゃくちゃ高く上がった。

高くまで上がった凧を制御するのは怖い。
飛んで行ってしまう怖さもあるし、紐を通して上空の風の強さが手に伝わるから
どこかに連れ去られそうな恐怖を感じる。
俺と桃井君はやべーよ、これおろさねーとやべーよ!とか騒ぎながら限界ギリギリまで伸びた紐と格闘していた。

その時、ゲイラカイトのイカを思わせる顔が突然、漫画の笑い顔のようになって、
フワーッとこちらを指さす手と指のようなものが浮かび上がり、
俺と桃井君を笑いながら指さした。
桃井君が「うわーー!」っと悲鳴を上げて、紐を投げ捨てた。俺は桃井君が逃げ出した事に恐怖して、同じく叫びながら逃げた。

桃井君の家まで走って帰り、和室の掘りごたつの中に二人で飛び込んで「顔が動いた!!」とワーワー騒いで抱き合った。
「お前、先こたつから出てくれや!!」「お前が先出てや!!あいつおりそうで怖い!」と
俺らは悲鳴を上げながらこたつの中に隠れていた。

そのまま5分ほどが過ぎた頃、桃井君のお母さんが部屋に入って来て、
「あんたら…外の友達なんやの?」と言った。
俺らはお母さんが来たことで安心して顔を出すと、お母さんは無表情で「あれ、誰なの??」と繰り返した
桃井君が「え?誰のこと?なに?」と聞いて窓に向かおうとすると、
お母さんは「あかん!!!!!」と叫んで桃井君の腕をつかんだ

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