ババア

96:名無しさん@おーぷん:16/08/03(水)17:25:40 ID:6nU ×

高校の頃に終着駅でちょっとしたショッピングモールもあるそこそこ都会な感じの駅近の居酒屋でバイトしてたんだけど、
店長に雑用頼まれて時給出るって言うから残業してたら終電を逃した。
家は隣の駅だし歩いても帰れる距離だから、歩いて帰ることにしたんだが、
バイトしてる駅と家のある駅との間には取り残された集落みたいなのがあって、
竹藪で囲まれた盆地に古い茅葺きの家が立ち並んでて、未だに汲み取りだったりするんだ。

昼間はそこを通り抜けてバイト先の駅に行ったりもしてたんだが、
夜は100mくらい続く竹藪に街灯もなく集落も薄暗くて怖いから迂回して帰るのが常だった。

でも、その日は残業で疲れてたし早く帰って風呂に入りたかったんで集落を抜けることにした。
案の定、竹藪は真っ暗で足元に気を付けながら下っていくと、10mくらい雑木林があって集落の灯りが見えてくる。
ああ、ようやく抜けたとほっと息をついた瞬間、雑木林がガサガサと音を立てて何かが近づいてくる。
野犬か?と少しビビりながらゆっくりそこを通り過ぎようとしたら草むらからババアが出てきた。
幽霊とかではなくリアルなババア、キチな感じでもなかったんで取り合えず今晩はと挨拶したら、
「外のもんか?こんな時間にウロウロしよったら○○(聞き取れなかった)に拐われるろ」
入れ歯なのかこれでもだいぶ口語訳した感じの事を言われて、スイマセンって謝って早足で集落を後にした。

何であんな時間にババアが雑木林にいたのか、何に拐われるのかは謎。

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