市営ふ頭

698 名前:1/2 :2005/12/10(土) 00:31:47 ID:yLIhBfwF0

以前川崎区の千鳥町に夜一人で夜景を撮りに行った時のこと。
このへんは埋立地の工業地帯で、化学プラントや工場が立ち並び
殺伐とした景色の場所。
土曜の深夜ということもあり、路肩のトラック以外、人気はまったくなかった。

2時間程あたりをウロウロした後、市営ふ頭に行ってみた。
ここは200メートル×1キロ位の細長い敷地にポツポツと倉庫が並んでいる。
当然立ち入り禁止なのだが、こういう場所はたいてい釣り人がいることが多く
まあ大丈夫だろうと門を跨いで中に入った。

予想に反して釣り人どころか人っ子一人いなくて、ちょっと油断してそこら中を撮りまくって
いたんだが、ふと後ろを見ると300メートル位後ろに、回転灯を点灯させながら
パトロールのクルマがゆっくりとこっちに向かってくる。

これはヤバイと少し先の倉庫の角を曲がり、入ってきたのとは別の門(敷地が細長いので
門がいくつもある)から外に出ようとすると、そこには別のパトロールのクルマがとまり、
そこから先に行かせない様に通せんぼしている。

ヤバっ、と慌ててUターンしようとすると、クルマに乗っていた警備員がこちらに気付き、
バックミラーで不思議そうにこっちを見ている。
平静を装いつつ、敷地内を逆戻りし、クルマの陰になったところで猛ダッシュ。
そのまま近くの倉庫の物陰に駆け込んだ。

「見つかったらまずいよなー、どうやってここから出るかな…。」
とりあえず持っていた三脚の脚を縮めつつドキドキしながら身を潜めていた。

2~3分はそうしていたのだが、ふと気付いた。
自分の左、3~4メートル位先に人の気配がする。
しかしそこには明かりはなく真っ暗闇で、しかもそこにいるらしき人物(おそらく一人)は
音も立てず、息を殺してじっとしている…のだが、時々アスファルトを革靴で踏みしめるような
ジリッという音がする。

こんな暗がりで何してんだよ…。(俺もだが)
あ、そう言えば入ってきた門のところにスモーク貼った怪しい車が一台とまってたな…
もしかして何かヤバイ取引でもこれから始まるのかも、
巻き込まれたらマズイ、と
俺の脳は3秒で判断し、とにかくこの場を離れろ!と命令した。
あとは外に向かって猛ダッシュ。
柵を無理やり乗り越え、とにかく走ったw

まあ取引云々は俺の妄想かも知れんが、あの暗がりに誰かがじっと
息を殺していたのは間違いない。
話にすると怖くないかも知れんが、深夜2時のあのシチュエーションでは
何か得体の知れない怖さがあった。

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