あのガキぶっ殺してやる

608 名前:本当にあった怖い名無し :2005/10/22(土) 09:19:37 ID:UityFOo/0

10年ほど前、鼻の病気を治すために手術を行った。
手術は非常に単純なものだったのだが、その後の入院生活が非常に辛かった。
鼻腔内に止血のためガーゼを詰めるのだけど、
そのガーゼを2~3日ごとに取り替えなければいけないんだ。
傷口に張り付いてるガーゼをカサブタごとズルっと引き抜くもんだから、
その度に口と鼻から激痛と共に大量の出血が…。
当時小学生だった俺は完全に精神がメゲてしまい、不眠状態になってしまった。

ある夜、いつも通り病室で眠れぬ夜をすごしていると、
廊下からか細い女の子の声が聞こえてきた。
小児病棟でもないのに(俺は小学校6学年で一般病棟に入院していた)
「お母さーん…」という子供の声が深夜の2時過ぎに聞こえるんだ、絶対に異常だ。
でも当時の俺はどこか心を病んでいたようで、それを不自然だとも思わなかった。
それどころか、「あのガキぶっ殺してやる…!」と激しいイラ立ちを覚えていた。
そしてベッドから立ち上がり、点滴台をガラガラ引きずって廊下に出た…

というところで記憶が途切れ、翌朝お医者さんやナースさん達に見守られて目を覚ました。
なんでも、俺は廊下で倒れているところをナースさんに発見されたそうで、
そのとき血圧は「生きているのが不思議」というほど低かったらしい。

当時は精神的に壊れてたせいか気にもしなかったんだが、今思えば恐ろしい出来事だ。
あの声は何だったのか、自分に何が起こったのか、全く分からない。

前の話へ

次の話へ