ICU

931 名前:1/2 :2005/08/26(金) 17:55:09 ID:4IClmOCWO

怖いような怖くないような話 

小学4年の夏休み、私は夏風邪をこじらせて肺炎を起こして3週間ほど入院した。 

高熱で朦朧としてたのは最初の1週間だけで後は割と元気で病院の屋上や入院患者の談話室で遊び回ってた。 
子供の患者はICUに入っている子と私だけで大人の入院患者にはえらく可愛がってもらえたんだけど、私と同い年の子がいるというAさんはとりわけ可愛がってくれた。 

Aさんは末期癌で入院してたらしく(私は知らなかった)、ICUに入ってしまった。 

子供だった私は部屋から出て来ないAさんを何やら具合が悪いらしい位にしか思っておらず早く遊んでほしいなぁと思っていたある日の夜。 

夜中にふと目が覚めてトイレに行きたくなったんです。時計を見ると午前2時ごろ。 

トイレ(男女一緒)に行くと髪ボサボサで真っ青のAさんがいました。あまりに青い顔なので 
「おっちゃん、大丈夫?看護婦さん呼ぼか?」 
と声をかけると、 
「大丈夫や。○○ちゃんもはよ寝んとあかんで」 
と言われて、 
「うん。おっちゃんもはよ寝てや」 
と笑顔で別れました。 


で次の日。 
ICUの周りに人が一杯いたので偵察にいくと、Aさんが亡くなられたとのこと。前の夜は意識もなく部屋から出るはずないよと看護婦さんに言われました。 
「Aさん、あんたのこと気に掛けてたからなぁ」 
とのこと。怖くなかったけど淋しい出来事でした 

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