被害者の警告
38 コピペ 2005/06/26(日) 20:49:45 ID:WMXjvaWB0
俺がテレ蔵にはまっていた頃、
埼玉の元風俗嬢から聞いた話。
彼女は男に貢いで借金をこさえ、
デートクラブで働く羽目になったそうだ。
仕事を始めて一月くらい経ったある夜、
彼女は鶯谷のホテルで客をとることになった。
金のためとはいえ、嫌な仕事。
頭痛と少し吐き気がしたそうだ。
彼女の悪い予感はどうやら当たったらしい。
ホテルの部屋にいた相手は、銀縁メガネで一九分け、
痩せ型で神経質そうなリーマン風三十男。
「その人インポだったのかもね」
男はいらいらしながら事細かに注文を付けたという。
顎と手首がしびれてくるまで彼女は奉仕して、
さすがに弱音を吐いた。
「しょうがないな。じゃあ背中マッサージしてよ」
男は不機嫌そうに言うと腹ばいになった。
マッサージを始めて彼女は気づいた。
男の肩甲骨のあたりに赤黒い引っかき傷がある。
「ああ、何かすごく背中痒いんだけど、ちょっと掻いて」
彼女は言われるまま爪を立てた。
すると薄明かりの下、背中の真ん中にミミズ腫れが浮き上がった。
「確かに文字だったよ」
ニ ゲ テ だったと思う。
彼女はひどく寒気がしたそうだ。
そして、何も見なかったことにして、時間が過ぎるのを待った。
腹ばいになっていた男はなぜかうっすら汗をかいており、
熱いなあと呟きながら、シャワーを浴びると言い出した。
彼女はその隙に服を着て帰り仕度をした。
「何か調子でてきた。延長するよ」
男はナニをさすりながら、バスルームから出てきたそうだ。
「ええっ?私じゃ駄目だから・・・、チェンジしたほうが・・・」
「大丈夫だよ。さっ、続きをやるから脱いで脱いで」
男はせかすようにそう言ったかと思うと、突然険しい顔つきになった。
そして、彼女の背後、部屋の隅のほうをじっと睨みつけたという。
「何だよ。またお前かよ。邪魔ばっかしやがって」
あっけにとられて彼女は振り返る。
そこには誰もいない。
「ぼうっと突っ立ってんじゃあねえよ」
男は誰かを怒鳴りつけている。
「何か言ってみろよ」
彼女は瞬時に理解したそうだ。
(こいつは人殺しだ)
「でね、やっぱりそうだったのよ。事件のこと、新聞に出たんだから」
「ええっ!まじでえ」
俺は興奮して聞いた。
「その男が殺人事件起こしてたの?」
ガチャッ。プッ、ツーツーツー。
俺はなぜか焦って、早々に店を出た。