中野のキャバクラ
405 名前:1/3 :2005/07/18(月) 12:30:52 ID:IcMaYjDH0
夏はオカルトの季節。
10年前のこの時期、中野のキャバクラでバイトしてました。
短期間で引越し資金を稼ぐために。
女の子の平均年齢19くらいの、朝までやってる大衆店。
私は深夜の方が時給がいいので、まいにち朝まで働いてました。
ここにいた23歳にして最年長の女性が、霊感のあるひとで。
とても感じがいいその人は「テナントで入ってるこういう店は、
寂しくて霊が寄ってくる。だからお守りを肌身離さず持ってるの。」
と言い、ハンカチに包んだ数珠を見せてくれました。
さて客がぜんぜん来ないある日、女の子達とカウンターで雑談してたら、
「特定の座席から奥に架かってる鏡を見ると、知らない女の人が映る」
とか怖いことを誰かが言い出しました。
しかし他の子も驚きながら同意しはじめました。
「やっぱり?怖かったから言えなかったけど、髪の長い女の人でしょ?」
「特定の席からじゃないと見えないよね。」
「しかも特定の席に座ってるよね。席を直接見ても見えないのに。」
同意した女の子は3人くらい。
あとはポカーンとしてました。自分は初耳でした。
霊感のある、年長の彼女は諦めたような当然のような表情で、
「やっぱ見えてたんだ・・・」とか言ってました。
説明をしておくと、店はL字型のレイアウトでした。
入り口にカウンターがあり(縦のライン)、曲がって座席が並ぶ感じ。
だから入り口から問題の鏡は見えません。
鏡は90×60センチくらいの大型ファッションミラー(?)です。
都会のビルがプリントされてました。
鏡を通して見ると、髪の長い女性は席に一緒に座ってるそうです。
うつむき加減だから表情は分かりません。
見えるポジションが決まってるそうで、場所も全員一致してました。
ここまで話していると、隣で聞いていた店長がふざけたように、
「じゃあ客もいないし、俺見てみるよ!どこからだったら見えんの?」
とフロアーに歩き始めました。
店長は女の子の心霊話を黙らせたかったのかもしれません。
お客がいなかったからちょっとイライラしてたんだと思います。
だけど、店長は見えませんでした。
お客さんがいないからか、霊感がないからなのか分かりませんが。
店長が大声で「どこだったら見えるんだよ!気のせいじゃね?」と
座席で笑っていると、私の隣にいた年長の女性がポツリと言いました。
「店長の横の観葉植物にも、人の顔が浮かんでるよ。」
この店はその数年後つぶれました。
まじ怖かったっす。