仲間

73 :sama ◆yjvIWhDK7Q:2007/07/02(月) 23:25:09 ID:u7E39rCd0

「冬山で道を見失ってな」
「はあ」
「仲間三人と近くの山小屋に逃げ込んだ」
「ふんふん」
「ライトも切れて何も見えなくなった」
「それはまずい」
「寒いから動き回ろうと思ったわけだ」
「しかし下手に動いてもね」
「そうそう、転んで捻挫でもしたら下山できない」
「どうしたんで」
「とりあえず四人で四隅に立ったさ」
「ほう」
「そんで一人が壁伝いに走って、別の隅についたらタッチ」
「ぐるぐる回って過ごしたってことかね」
「うん。何時間かしたら朝日が昇ったんで、その遊びもおしまい」
「そいつは良かった」
「じゃあ下り始めるかーって言ったら一人が首を傾げてる」
「またどうして」
「『そういや今の、五人いないとできないぞ』って」
「本当だ。こりゃ怖い」
「そうだろう。四人で震えながら下山したよ」
「幽霊ってやつかい」
「いやあ、わからんなあ」


彼はその日、仲間四人と連れ立って山に出かけたのだが。

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