柴犬

715: 本当にあった怖い名無し 2005/04/04(月) 17:23:49 ID:blyLVcDu0

ウチの実家の犬の話を。
父の手違いで血統書をもらい損ねた柴犬。 
どうもトロい。すぐ近所で迷子になる。遊びに来た猫に餌を 
食われる。予防接種をした獣医を尻尾を振って見送る。 
この犬を連れて、両親は山菜取りに出掛けた。

父が何故か、犬を放してしまった。いつも鎖につながれて 
可哀想、程度の軽い気持だったらしいが。 
「何ばしよっとね! 迷子になって戻ってこられんが」 
と母が指摘して、父は我に帰り、 
「……なるようになるさ」 
と山菜取りを続けた。

やがて山菜がある程度の量取れたので、父が口笛を吹き、 
「○○~! 戻ってこんか~!」 
がさがさと音がして、すぐに犬は戻ってきた。 
近所でさえ迷子になる犬が、はじめて来た山の中でどうして 
迷わず戻ってこられたのか。

山の神様は女だと言うが、イケメンの犬なので、もしかして 
神様が道案内をしてくれたのだろうか。 
(本当にイケメンなんですよ。通りすがりの人が、どうして 
こんなに格好よく育ったのか、とわざわざ尋ねてくるほど。 
切れ長の目で程よく筋肉質、人間で言うと東山タイプ)

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