添い寝

135 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/05/19 01:13 ID:6M1OIF2A
友人の話。
植生の研究のため、夏山に一人で入っていた時のこと。 
ある夜、彼は不意に目が覚めた。 
いつの間にか、テントの中に生臭い匂いが充満していたのだ。 
驚いて身を起こそうとすると、耳元で誰かに囁かれた。

「・・・添い寝・・・」

知らない女性の声だった。 
いきなり背後から手が回され、彼はしっかりと抱きしめられた。 
背中に柔らかい身体が押し付けられる。 
寝袋にくるまったままで。

生まれて初めて失神したのだという。 
翌日以降、びくびくしながら夜を過ごしたが、二度目は現れなかったそうだ。

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