いません。

262 :雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ :04/04/01 23:55

知り合いの話。
ボランティアで小学生ボーイスカウトを指導していた時のこと。 
地元の山小屋を借りてキャンプをおこなったという。 
万事つつがなく進行し、その最終日。 
彼は忘れ物がないか山小屋の中をチェックしていた。 
確認が終わり「もう残っている者はいないな?」と誰にともなく呼びかけた。

 いません。

か細い男の子の声が返ってき、小屋から出ようとしていた彼の足を止めた。 
子供たちは皆、既に外で整列していたはず。 
振り返ってみたが、誰の姿も見えなかったという。

彼は何事もなかった顔をして、引率を無事に終了した。 
ただ、個人ではもうその山小屋は利用しないと決めているのだそうだ。

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