案山子

845: 本当にあった怖い名無し 04/12/10 02:14:50 ID:ErQ6aebk
805の話と同じ山で見たもの。 
5月だというのにキャンプ場に雹が降った。 
慌ててテントをはる父を弟が手伝っていた。 
私は母と炊事場にいた。 
テントの方を見ると、弟が眉間にしわを寄せて目を閉じている。 
父のすぐ後ろ、手元を覗き込むように 
毛むくじゃらの1本足、一つ目に笠をかぶった案山子がいた。 
皮膚がドロドロで、なんといっていいのか・・・不気味だった。 
手にしていた鍋を落とし、母にしかられた。 
片付けて顔をあげると目の前に立っていた。 
気付かないフリをして料理を続けていると、 
雹の中に霞むように居なくなった。 
弟は私がそばに行くと、 
「あれはムリや・・・」とつぶやいた。

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