ラジオ

813: 本当にあった怖い名無し 2005/06/05(日) 23:22:25 ID:B7Zz+15V0

聞いた話
山で仕事をする人の中には、熊や猟師の誤射から身を守る為に、 
ラジオを身につけて山に入る人が少なからずいる。 
Aさんもそんな一人で、仕事中もラジオを鳴らしっぱなしにしている。 
中には電波の届かない仕事場もあるのだが、 
そんな時でも、ラジオのスイッチは入れっぱなしにしておく。 
そうしておくと時々奇妙な音が聴けるから、なのだそうだ。 
古い歌謡曲、トラック無線、空電に埋もれた外国語の群れ… 
ある時など、玉音放送がラジオから流れてきた事もあるらしい。 
「山に迷い込んだ電波を、何かのはずみで拾っちまうんだろう」 
Aさんは、冗談とも本気ともつかぬ口調でそう呟いて茶を飲んだ。

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