カーン

492: 雷鳥一号 ◆zE.wmw4nYQ 2005/11/14(月) 21:50:43 ID:HO54GAN10
友人の話。
夕暮れの山道を一人で歩いていた時のこと。 
上の方からカーンという音がして、道の少し先に空き缶が転がってきた。 
誰かが蹴り飛ばしたんだなと考えたが、蹴った主の姿は一向に見えない。 
怪訝に思いながらも缶の横を通り過ぎた。

五十メートルも歩いただろうか。 
背後より再びカーンという音が響く。 
驚き振り返ったが、既に空き缶は視界に入らなくなっていた。 
しばらくして、またカーンと聞こえた。誰が蹴っている? 
立ちすくむ彼を無視するように、音は段々麓の方へ下って行ったという。

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