合わせ鏡

515 :本当にあった怖い名無し:04/10/12 05:02:15 ID:aIu8bnck

「合わせ鏡」 
ある日、軽いおしゃべりから怪談話へ。怖がらそうというよりは、こんな話があった、 
あんな話があったという感じで… 
真夜中の零時丁度、鏡をあわせると悪魔が現れる、もしくはどこかに連れ去られる、だとかの 
よく聞く話。それを試してみようとした女の子。いざやろうとすると、バカバカしいと思いながらも、 
なかなか鏡を合わせることができない。 

自分の顔を見ながら、どうしようかと思っていると「カチッ」と零時を指す時計の音。 
怯えた自分の顔に苦笑しながら、何事もない状況に気恥ずかしさを覚え鏡を投げた… 
瞬間手首を掴む何か 
 「なに?やだ、何で?私何もしてない!」 
混乱する彼女に聞こえる言葉…歌? 
「きれいきれいまんまるきれい 
   きれいきれいわたしのもの」 
   
彼女は今ある病院にいる。 
何もない空洞の目を開いて、歌を歌いながら… 
「きれいきれいまんまるきれい 
   きれいきれいあなたのもの」 

この話を聞いてから私は夜、鏡を見るどころか彼の目を見ることすらできなくなってしまった。 
何か言いしれぬ恐怖を感じて… 
彼女の歌が、「あなた」から「わたし」に変わってしまうような気がして…。 

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